世にもおそろしいフクロウおばさん | kanoneimaのブログ

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私的備忘録

書名:世にもおそろしいフクロウおばさん
原題:Awful Auntie
作者:デイヴィッド・ウォリアムズ(イギリス作家)
出版:小学館
内容:1930年代のイギリス。1933年12月21日、12歳の少女ステラ・アンバー・サクスビーは自室のベッドで目を覚ましたが、なぜか身動き一つできない。そこへペットのフクロウを連れたアルバータ伯母さんが現われて、ステラは両親と自動車事故に遭い数カ月間昏睡状態だったと告げた。パパとママが死んだと聞かされてショックを受けるステラに、アルバータ伯母さんは相続した我が家であるサクスビー館の権利書について尋ねる。ステラが知らないと嘘をつくと、アルバータ伯母さんは怒って部屋に鍵をかけて出て行った。アルバータ伯母さんは父の姉だが、意地悪なだけではなく素行の悪い人物でもある。アルバータ伯母さんは第一次世界大戦でイギリス人なのにドイツ軍に加わって戦い、そのときに入手したバイエルン地方に生息するフクロウであるワシミミズクを我が子のごとく可愛がっている。「ワグナー」と名づけられたフクロウは体長120センチ、体重40キロという巨体に育ち、卵から孵して育てたアルバータ伯母さんを母親だと思っている。アルバータ伯母さんは浪費家なうえに賭け事が好きで、弟の小切手を盗んで財産を使い果たしてしまい、今のサクスビー館には高齢でボケてしまった執事ギボンしか使用人が居ない。アルバータ伯母さんが部屋から遠ざかると、ステラは両親の死の真相を突き止めるためにも館から脱出し、数キロ離れた村に助けを求めに行こうと決意する。自分の体を確かめると、首から下は包帯でぐるぐる巻きにされている。ステラは何とか自由になろうと体を揺らしているうちにベッドから落ち、その拍子に包帯がゆるんだ。なんとか人間イモムシから脱皮したステラは、今度は閉じ込められた部屋から出るためにドアの向こう側にさしっぱなしの鍵を鉛筆と紙を使って手に入れ開錠したドアから抜け出す。抜き足差し足忍び足で廊下を歩き階段をおり玄関まで辿り着いたステラだが、玄関ドアにも鍵がかけられていたうえに天井の照明からコウモリみたいにぶらさがっているワグナーに見つかってしまう。飼い主に忠実なフクロウが騒いだせいでアルバータ伯母さんに捕まったステラは、今度は地下の石炭置き場に閉じ込められる。真っ暗闇のなかでステラの耳に幽霊の声が聞こえる。石炭用トンネルに閉じ込められているという幽霊の指示でしぶしぶ石炭をどかしたステラの前に、男の子の形をした光が現われた。幽霊は捨て子のえんとつそうじの少年ススで、サクスビー館のえんとつそうじの最中に死んだのだと言う。さらに大人になると幽霊は見えなくなるそうで、ステラも13歳になれば見えなくなると断言される。ステラの誕生日は三日後のクリスマスイブだ。ススに助けてほしいと頼んだステラは彼に導かれて石炭用トンネルをのぼり、厨房の壁についている戸から外に出た。厨房の床にすわってステラは今までの経緯を話してススと相談し、両親の事故の手がかりを得るために車庫に向かうが……。ステラは数百年に渡って先祖代々受け継いできた屋敷を守れるのか?