泣く泣く帰国したバレエの子供達 | Kanon's diary

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雑記帳である。

ボリショイに留学した子達が試験を受けずに帰国してきたのは、アカデミーが閉寮になり、食堂も閉めるからと追い出され、
滞在先がなく帰国という選択肢以外なかったからです。完全に不本意の帰国です。

"バレエの留学生たちは、誰々が帰るから、みんなと合わせて帰ることにした" という間違った極めて腹立しい情報がネット上にありました。今は削除されています。

私たちボリショイ卒業している三十路たちは、そして後輩を想う。
そんな生半可な気持ちで誰も中学や高校中退してボリショイでも、そうでなくても海外へ単身バレエ留学しません。

今、授業も無い。私の恩師スイロワもレービチもアカデミーにいません。私は妊娠中のこともありしょっちゅう心配して連絡くれるのですが、学年末試験やれず、特に卒業年の8年生の卒業国家試験をやれないことがとても残念だし、今後どうしたらよいのかわからないと話していました。

日本のテレビ局はそんな彼女たちを使わないでください。
現地ロシアからの情報として、日本人向けにバレエの子達をカメラ的に被写体にしたいのは分かるけれど彼女らは未成年の子供です。とてもじゃないけどテレビ局員の唐突な質問にコメント対応できる精神状態にありません、大人だってそうでしょう。

報道を疑うことも無く鵜呑みにしてしまう一部の純粋で、何も知らない知ろうとしない日本人は誤解し、そのままSNSで自身の意見を配信します、事実ではないことを。
そして身削ってバレエ留学だけに3年も4年もかけてロシアに来た子らは、バレエや芸事について無知の、それなのに偽名で偉そうに発言だけはする身の程知らずな人々から蔑まれてしまうのです。

特に国家試験受けられなかった彼女らはショックで混乱中です、泣いています。テレビカメラの前では笑っていただけです、バレエの子は強いし人前では泣かないので。そうやって日本のスタジオでも学ぶし、そういう御作法として叩き込まれるし、留学先でも同じことを繰り返し学ぶのです。

帰国便があって、みんな乗れたそうでよかった。心から思う。
でも賢い彼女らはもう次、
これからの自分の在り方を考えているのでしょう。


何の写真乗せようか考えてたら
レオノワ校長の写真集手にしていた。