オペラ「蝶々さん」で礼儀作法を教えていた。
日本舞踊を趣味でかじっていたことは、損ではなかった。
日本人にでも難しい、立ち方座り方、お辞儀、扇子の扱い ― ロシア人が付け焼刃で出来る訳ないのだが、仲間由紀恵の「大奥」に大感激してここ3日満足に寝られていないと言うオペ芸監のために、リハーサルに付き合った。
「ショウグンはずるい!!日本の姫こそ姫だ!!ユキエこそが姫だ!!女性とは、美しい像である!!女性の美は強い力、正義、潔白だ!!お前ら(オペラの人々)純血めんどくさがり屋の牛!!」
ああ、私の文才では感嘆符でしか表現することができないのが非常に残念。
凄まじい勢いで熱弁していた。ユキエ、LOOOOOOOVE!!!ついでに日本最高ー!!とはしゃぐ芸監(70)
傘と扇子を同時に持ってくれという、めちゃくちゃな指示を受ける。
頭の中が仲間由紀恵しかない芸監のために、いくつか案を出す。
芸監から「ユキエ主演の映画なんかもっとない?!」と聞かれる日々。
こんなリハが数日続いたが、ある時から私は愛想尽かして行かなくなった。
それは、サッカーのホンダがいつかのテレビで
「あいつら(ロシア人)本当に練習しない」と言っていて、
本当にそうだと毎日バレエで思うけれど、オペラもそうだったからである。
だから指導より踊ってるほうが健康に良い笑