開館65周年を迎える国立西洋美術館で行われている

今回の展覧会のテーマは、

Does the Future Sleep Here?

ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?
──国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ

という長いものだった。

 

 

会場内は迷路のように展示壁が組み合わさって、

模索させるような空間になっていた。

 

(展示構成)をあげておこう。

0章「アーティストのために建った美術館」

1章「ここはいかなる記憶の磁場となってきたか?」

2章「日本に『西洋美術館』があることをどう考えるか?」

3章「この美術館の可視/不可視のフレームはなにか?」

4章「ここは多種の生/性の場となりうるか?」

 

「反幕間劇」

「上野公園、この矛盾に充ちた場所:上野から山谷へ/山谷から上野へ」

 

5章「ここは作品たちが生きる場か?」

6章「あなたたちはなぜ、過去の記憶を生き直そうとするのか?」

7章「未知なる布置をもとめて」

 

なんとも、ボリュームたっぷりで、未来に向けて

この美術館を未来に向かって運営していこう、というキュレーターの

意気込みを感じる展示だった。

 

興味深くて、ここに3時間近くいた。

 

その中で印象深い作品を挙げておこう。

 

 

左ーポール・セザンヌ《葉を落としたジャ・ド・ブッファンの木々》(1885–86)、右ー内藤礼《color beginning》(2022–23)

 

一見、白いキャンバスのように見える《color beginning》。

本作と長時間向き合っているとうっすらと色彩が現れる。両者のあいだに存在する、関係性を持ちそうで持たない空間にオーディアンスは何を代入すべきか。

 

 

 

小沢剛 帰ってきたペインターF―Painter F Song 2015 ヴィデオ 12分8秒 森美術館(東京)蔵

 

国立西洋美術館も、数々のミュージアムが建ち並ぶ上野公園内に所在する。

 

昨今は数が減少傾向にあるものの美術館から一歩外に出れば、そこは路上生活者が住まう場でもあった。その土地の持つ物語やそこに生きる人々にあまりにも無関心だったという反省から始まった。

弓指は路上生活者の多い近隣の山谷地区に通い、膨大な量の絵画を描き展示。

 

それぞれの絵画には、弓指が実際に会って話した人々から得た学びや、そのときの感情が織り込まれている。絵を描くという行為によってその土地の持っている物語を解きほぐす。

 

 

竹村京 修復されたC.M.の1916年の睡蓮 (部分、制作過程) 2023-24 釡糸、絹オーガンジー、カラープリント 作家蔵

 

 

現在の現代アートで名画になるような作品が、いつの日か、

国立西洋美術館に展示される日が

来るだろう、と啓示しているように思えた。

 

Information

 

会期
2024年3月12日(火)~5月12日(日)
開館時間
9:30~17:30(金・土曜日、4月28日(日)、4月29日(月・祝)、5月5日(日・祝)、5月6日(月・休)は9:30~20:00)
※入館は閉館の30分前まで
休館日
月曜日、5月7日(火)(ただし、3月25日(月)、4月29日(月・祝) 、4月30日(火)、5月6日(月・休)は開館)
会場
企画展示室
観覧料
一般2,000円、大学生1,300円、高校生1,000円
※中学生以下は無料。
※心身に障害のある方及び付添者1名は無料。
※大学生、高校生及び無料観覧対象の方は、入館の際に学生証または年齢の確認できるもの、障害者手帳をご提示ください。
※国立美術館キャンパスメンバーズ加盟校の学生・教職員は、本展を学生1,100円、教職員1,800円でご覧いただけます。(学生証または教職員証をご提示のうえ会期中、ご来場当日に国立西洋美術館の券売窓口にてお求めください)
※観覧当日に限り本展観覧券で常設展もご覧いた

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