東京都美術館で開催中の「MUNCH ムンク展」に行った。(会期~2019年1月20日(日)

 

鑑賞するきっかけは、Eテレの日曜美術館を見てからだった。それまでは、好みの絵画でないので、スルーしようと思っていた。

 

自分の都合と混雑状況をチェックして、この日は程よい混雑だった。

 

ノルウェーの代表的画家ムンク についての解説はウィキより

 

(展覧会構成)

 

1 ムンクとは誰か| Munch Himself

2  家族ー死と喪失| Family-Death and Loss

3 夏の夜ー孤独と憂鬱 | Summer NightーSoltitude and Melanchholy

4 魂の叫びー不安と絶望 |Scream of SoulーAnxiety and Despair

5 接吻、吸血鬼、マドンナ |Kiss, Vampire,Madonna

6 男と女ー愛、嫉妬、別れ |Man and WomanーLove.Jealousy,Separetion

7 肖像画 |Portraits

8 躍動する風景 |Dynamic Landscapes

9 画家の晩年 |Last Works

 

「叫び」で有名なムンクであるが、約100点の展示の中から

まず、  自画像、肖像画という側面で、鑑賞した。

 

(画像はテレビで写した)

 

モノトーンで描いた自画像

19才当時の自画像          地獄の自画像(被害妄想に襲われた時の自画像)

 

 

  

青い空の自画像              晩年の自画像(時計とベッドの間)

 

26歳でパリに留学。

 

肖像画家として名声を博した頃、哲学者ニーチェの妹から依頼のあった肖像画

 

   その部分拡大図

 

ムンク自身も慢性気管支炎を患ったり、母や姉が亡くなった。さらにもう一人の姉が結核と

常に死を意識した生い立ちは、後のムンクの芸術に生涯影響を与え続けた。

  初期作品「病める子」

 

次にこの展覧会のメインとなる「叫び」は、

5点描かれたが、オスロ市立美術館が所蔵するテンペラ・油彩画の

「叫び」(1910?)は今回が初来日となる。

 

「叫び」と同じ構図で以前に描かれたのは「絶望」(1893-94)

 

ムンクは多くの女性と巡りあい、ドロドロした女性関係もあったが生涯独身主義だった。

 

    月明り、浜辺の接吻 (1914)

 

     生命のダンス(1925)

死をテーマとした作品が多いムンクだが、生を主題とした作品。

 

晩年、ノルウェーに戻って安定した生活基盤の中で制作してから、光の明るさや生命の輝きといった新たなテーマにチャレンジしていった。

   黄色い丸太(1912)

疾駆する馬(1910-12)

 

    太陽(1910-13)

    星月夜(1922-23)

同じ題名でゴッホの「星月夜」もあったことを思い出した。

 

庭のリンゴの樹(1932-42)

 

鮮烈で動きのある色彩感覚を持ったムンクの作品の数々を鑑賞できた。

        そして、

とても素晴らしいムンクの全容を知ることができる回顧展だった。

 

鑑賞して良かった。ムンクへの印象が変わった。

 

 

最後に展覧会場にあったムンクの言葉を記録しておきたい。

 

☆    ☆    ☆    ☆    ☆

・私の芸術は自己告白である。

 

・私は見えるものを描くものではない。見たものを描くのだ。

 

・芸術は、自然の対極にある。芸術作品は人間の内なる魂のように生まれる。

 

・読書する人や網物をする女のいる室内画をもう描いてはならない。

呼吸し、感じ、苦悩し、愛する生き生きとした女を描くのだ。

 

・自然とは、目に見えるものばかりではないー

瞳の奥に映し出されるイメージ、魂の内なるイメージで描くのだ。

 

・私は絵を通じて世界とノルウェーとの関りを描こうとした。