プラド美術館に入館後、

印象に残った作品を記録しておきたい。

 

プラド美術館は、スペイン王室の収集品を中心に、

1819年首都マドリードに開館した美の殿堂。

絵画作品だけではルーブル美術館をも凌ぐ、

といわれる。

 

まずはベラスケス  (1599~1660)

「ラス・メニーナス」 (女官たち)1656  

~世界三大名画のひとつ。

 

因みに、ユネスコで定める世界の三大名画は、

ベラスケスの《ラス・メニーナス(女官たち)》、

アムステルダムにあるレンブラントの《夜警》、

後で行く、トレドのサント・トメ教会にあ

るエル・グレコの《オルガス伯爵の埋葬》である。

 

ベラスケスは、17世紀のスペイン黄金期、

バロック黄金期に活躍した宮廷画家。

 

「ラス・メニーナス」は、

5歳のマルガリータ王女を取りまく女官や、

王妃の侍従や犬までもが登場している

宮廷ファミリーの一瞬の人物像。

 

奥にかけられている絵画は、

オランダ宮廷画家のルーベンスの作品だと言われ、

この偉大な画家に対するベラスケスの敬意

が表されている。

 

また、中央のマルガリータ王女には

明るい光を当て、

右前方の小人の女性や犬は

暗くなっている。

さらに、少し後方に位置する、

画家本人と右側に居る女官の後ろの人物

も暗くなっている。

 

この陰影によって、

王女の姿を際立たせるだけでなく、

宮廷の一室の広さが奥行きを

持って表現されるという巧みな

遠近法を駆使している。
 

後の印象派の技法を

200年も前に先取りしていたと言われている。

 

その軽妙なタッチで動きの一瞬

をとらえた人物像は、

正に今ここに実在するかのような存在感を与え、

こうした技法は

後のロマン主義のドラクロワや、

印象派に大きな影響を与えた。

 

印象派の先駆者であるエドワール・マネは、ベラスケスを

「画家の中の画家」とさえ呼ぶように高く評価した。

 

ピカソは、プラド美術館に何回も通い、模写した。

 

 

ピカソの「ラス・メニーナス」

 

70歳をすぎて描いた「ラス・メニーナス」の連作は、

ピカソならではのアプローチで

全体あるいは部分が切り取られ分解され、

更に独自の解釈を加えて再構築されたもの。

 

そして、

 

10歳のマルガリータ王女  1660


これは、ベラスケスの絶筆になった。

外される事もあるらしい。

今回は観ることができた。

 

ベラスケスは歴代スペイン王の肖像についても、

典拠、作製者の特定、掲示、目録作成などの責任者を務めた。

 

1650年代初めには、ベラスケスは鑑定家としても、

広く尊敬を集めていた。

 

今日におけるプラド美術館のコレクションのほとんどは、

ベラスケスの指示のもと集められたもので、

その中にはティツィアーノ、ラファエロ、ルーベンス

の絵も含まれている。

 

本物を鑑賞できたことが、非常に嬉しかった。

 

(撮影不可なので、画像はネットよりいただいた。)、

 

次はエル・グレコに行ってみよう。続く