セーヌ河畔を歩く | Studio Kanons memory スタジオ かのんズ メモリー

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パリを東西に流れる世界遺産セーヌ河。

この河によって、パリは北側の右岸、南側の左岸、そしてシテ島、サン・ルイ島の

二つの島に分割されている。


パリ市内には37の橋がある、という。

 

この橋を歩いていたら雲行きが怪しくなってきた。

エッフェル塔は、パリ市内からどこからでも見える。

 

しとしと雨が降ってきた。それでも河沿いをジョッギングをする人を見る。


この橋「ポン・デザール」は、

 

恋人同士が愛を誓って柵の金網に南京錠をつける風習があった。

 

今はもう、重みに耐えかねて撤去された、と聞いた。



雨が止んで日がさしてきたら、虹がでた。

歓声があがり、みんな写真を撮っていた。

 

♪somewhere over the rainbow 虹の彼方に ♪

セーヌの橋といえば、

「ミラボー橋」という「堀口大学訳」の有名な詩があった。

 

この日は、その橋までは行けなかったが、

後日モンサンミッシェルのオプショナル ツアーでバスの窓から見ることができた。

アポリネールの詩「ミラボー橋」を追記しておこう。  

ミラボー橋の下をセーヌ河が流れ

  われらの恋が流れる

   わたしは思い出す

     悩みのあとには楽しみが来ると

   日も暮れよ 鐘は鳴る

   月日は流れ わたしは残る

手に手をつなぎ 顔と顔を向け合おう

 

  こうしていると 

  二人の腕の橋の下を

    疲れたまなざしの無窮の時が流れる

   日も暮れよ 鐘も鳴れ

   月日は流れ わたしは残る

流れる水のように恋もまた死んでいく

   命ばかりが長く

   希望ばかりが大きい
                                         
   日も暮れよ 鐘も鳴れ

   月日は流れ わたしは残る

日が去り 月がゆき

   過ぎた時も

    昔の恋も 二度とまた帰って来ない
             
ミラボー橋の下をセーヌ河が流れる

   日も暮れよ 鐘も鳴れ

   月日は流れ わたしは残る                
 詩集「アルコ ール」(1913)収録   
    

1907年、無名のアポリネールが26歳のときに画家マリー・ローランサン(Marie Laurencin,
1885-1956)23歳とモンマルトルのピカソのアトリエ「洗濯船」で 出会い、

6年間の恋が終わった時の詩。

アポリネールは彼女のことを終生慕い続け、5年後にスペイン風邪で38歳で死んだ。
そのとき、枕元にはローランサン の名作「アポリネールと友人達」が架けられていた、....


アポリネールというと、詩のこの一篇しかあまり知られていないが、

美術評論家であった。

そして、この詩だけで彼を世界的に有名にした。

今も語り継がれて「ミラボー橋」にはその詩碑がある。

せつない詩だけど、

セーヌ河が抒情的に書かれていて、リフレインが美しい!



私は、後3日で帰国するので、この部分だけ引用する。

 月日は流れ わたしは帰る (あと3日で)

そしてシテ島へ

 



セーヌ河から見たシテ島 

河べりに景観を損なう落書きがいっぱいあった。

 

悪い意味でアメリカナイズと、地元の人が言った。

 

次はシテ島へ