こんにちは。
スピリチュアルタロット占い師 月杜奏音（つきもりかのん）です。
いつも読んで下さって、ありがとうございます。
長くなってすみません。
今回完結です。
はーっ・・・
私はそのため息で自分の勘を確信し、声をかけました。
「お母さん！」
母は、この家を建てて引越しをしてからすぐに膵臓癌になり亡くなってしまったので、ほとんどこの家に来たことがありません。
ですが、その前の家の時には、娘もまだいた頃ですし、私が自宅で本業の仕事をしている間、母は毎日のように来てくれて、洗濯物を取り込んだり、ご飯を作ってくれたり、
娘が一人で寂しくならないように、色々と関わってお世話をしてくれました。
母が来る時、いつもスーパーで買い物をして、スーパーの袋をカサカサさせながら、たくさんの食材を持ってきていました。
多分、どうせ今の私の家に来る用事ができたんなら、私と夫にご飯を作っちゃろうという感じで、あっちの世界のシステムはよく分かりませんが買い出しをして、
鍋やら食器やら、どこにあるのか分からずに、色々と探したのだと思います。
で、いざ火をつけようと思ったけれど、母は、最後までキッチンのコンロはガス派だったので、きっとＩＨの使い方が分からず、料理を作るのを断念したのが、さっきの、はーっ・・・ていうため息だったのかな・・・と感じました。
あっちの世界の人だから、電化製品なんか使い方が分からなくても、つけられるんじゃない？と思う方もいらっしゃると思いますが、
それこそが、あちらの世界の妙です。
私が母だと気づけるように、遠回しに合図を送ってきたのではないでしょうか。
あちら側が出してきた超難問のヒントに勘づくことができるかできないかで、霊感の強さとか、勘のよさを試されているように思います。
悲しいかな・・・私が勘づいた仮説はこうです。
母はショコラのお迎えに来たのではないでしょうか・・・。
生前、母はショコラを可愛がっていましたから。
健康に良くないからやめてといっても、酢飯とかイチゴのかき氷の汁なんか、よくショコラに食べさせていました。
そのおかげで、ショコラは豆柴のはずだったのに、通常の柴犬よりも大きい、ポチャッとした１２キロまで育ってしまいました。
その責任を感じてかどうかは分かりませんが、母がショコラのお迎え当番になったのではないでしょうか。
でも、多分すぐに連れていくということではなく、少し時間があるだろうから、せっかくだし料理でもして待っていようか・・・料理好きな母らしい、そんな心境だったのではないかと思います。
でも、使い方が分からなくて諦めた・・・。
この時、私は母の姿は視えませんでした。
今回、私が直接母の対象ではないので、視えなかっただけで、実はショコラには視えていたのかもしれません。
前の家の頃、母が来ると、また美味しいものを食べさせてもらえると思うのか、ショコラは、ものすごく嬉しそうに母にしっぽを振っていました。
今は静かにおとなしく寝たきりのショコラなのですが、さっき私がソファーに座って、背後のＩＨの音を聞いていた時、
私の目の前にいるショコラが珍しく顔を持ち上げて、その時のようにしっぽを振っていましたから。
『お母さん、ＩＨはね、ここの電源を入れて、で、こっちのコンロで設定をして、スイッチを入れるんよ。
あっ、ビール飲む？私が飲んだ方がお母さんも飲んだ気分になれるよね？
お母さん・・・、ショコラのことよろしくお願いいたします・・・』
私がＩＨのところに行って、試しに電源をつけて、姿が視えない相手に向かって、話しかけました。
すると、コンロは３口あるのですが、まったく触っていない別のコンロの単体のスイッチがピッて入りました。
そしてもう１つのコンロもスイッチが入り、３口とも全部電源が入りました。そして１分くらいすると、同時に３口コンロの電源がピッて切れました。
まるで、母に了解！と返事をされたような、しばらくここで待たせてもらうよと言われたようなそんな気がしました。
そしてその後は、全く音や気配はなくなったのです。
私は仏壇にビールを供えて、と同時に一缶開けて飲みながら、
リンをならし、お線香を焚きながら、母に手を合わせました。
そして、もしショコラが母の姿を視て、何かもらえると楽しみにしていたのならかわいそうなので、
本当はダメなんですが、もうそんなに永くないと分かるショコラに我慢ばかりさせたくなくて、
犬用のビスケットを小さく砕いて、そしてその上に大好きだったシュークリームのクリームの部分を少し乗せて、食べさせました。
いつも垂れているしっぽをぶりんぶりん振り回しながら、嬉しそうにあっという間に完食しました。
ショコラは食欲あるし、意志表示もするし、お母さん、相当待つんじゃない？
私と同じで、なんでも早めに早めにしないと気がすまない性格だったから、ちょっと急いで来すぎたんやないと？
いや、そもそもショコラのお世話で疲れている私が、勝手にそう解釈してしまっているだけかもしれないし・・・。
でも、お母さん、せっかく来たんならゆっくりしていってね。
一人で色々なことを悶々と考えながら、その日は過ぎていきました。
でも、私の予感は予想以上に早く当たることになるのです・・・。
長いお話しを読んで下さって、ありがとうございました。
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