今日は雪が降りました。

今は雨に変わりましたが、とても寒いです。

 

高速道路はいまだに通行止めです。交通機関は乱れています。

そしてなんといっても、震災で辛い思いをされている方のことを思うと「寒い!」なんて言ってられない!と先日高校の先輩から頂いた本を取り出し読んでみました。

 

私は梅が咲き始めるこの季節になると、太宰治「斜陽」を思い出すのです。

 

「斜陽」の一部分(青空文庫から)

・・・お母さまは、何事も無かったように、またひらりと一さじ、スウプをお口に流し込み、すましてお顔を横に向け、お勝手の窓の、満開の山桜に視線を送り、そうしてお顔を横に向けたまま、またひらりと一さじ、スウプを小さなお唇のあいだに滑り込ませた。ヒラリ、という形容は、お母さまの場合、決して誇張では無い。婦人雑誌などに出ているお食事のいただき方などとは、てんでまるで、違っていらっしゃる。

 

この部分の「ひらり」という言葉が山桜の花びらと重なって、とても好きなのです。そして、その舞台が小田原市の梅の里である曽我にあった雄山荘という別荘ですから、私は山桜ではなくて「梅」ではないかと思うのですが・・・

 

さて話は戻り、頂いた本は↓

2016年 宝島社  「太宰治 100の言葉」 安藤宏 監修

 

太宰の名言集は色々あって、何を紹介したらいいか分かりません。各々が好きなことばや気になる言葉がきっとあると思うのですが、その中で「笑われて笑われてつよくなる。」というのがありました。気になりませんか?以前ブログにも書きましたが、太宰の展覧会が「笑う!太宰治」でした。この言葉から付けたのかな?と思ったり・・・

 

参考までにその時のブログです↓

 

 

また、花音は石井桃子展の時に「太宰さん」という作品を朗読したことがありました。その時のことを薫さんが書いていて、ちょこっと気になる文章があります。

「太宰治」に惚れられた方ですから!!

・・・と言われた石井桃子さん。

 

気になる方は↓

 

そしてまた、気になる言葉は・・・

「好きなら、好きと、何故明朗に言えないのか。」

きっと太宰は石井さんに言えなかったんだ~と納得したのです。

 

とても曖昧で分かりにくいかもしれませんが、この100の言葉から太宰に関するいろいろなことと関連して想像することが出来ました。

 

そして、神奈川近代文学館での2014年の特別展「生誕105年 太宰治展 ―語りかける言葉―」の時に購入したガチャの中に入っていた缶バッチです。↓

 

その言葉は「夏まで生きてみようと思った」でした。この言葉もこの本の中で紹介されていました。私はこの年、父の介護をしていて、この言葉が出た時に複雑な気持ちになったことを思い出します。ちなみに隣の缶バッチも文学館のガチャで他の展覧会の時に買ったものです(笑)

 

 

さて、最後にご紹介するのは、本の最後にも載っている言葉です。

 

「元気で行こう。

絶望するな。では、失敬。」

 

小説「津軽」の結びの言葉。

20240205