こんにちは。
10月も下旬に入りましたね。
昨日、近所の公園の木々が色づいているのを発見。
思っていた以上に秋が深まっていてびっくりしました。
さて。今月を振り返ったときにすぐに思い当たることがあります。
「絵本「ぐりとぐら」シリーズや「そらいろのたね」などの絵で知られる画家の山脇百合子(やまわき・ゆりこ)さんが9月29日、お亡くなりになりました。享年80歳。」
10月の初め頃に飛び込んできたこのニュースに、
ショックを受けた方は多かったのではないでしょうか?
私もとても驚き、そして悲しい気持ちになりました。
訃報を知ったころ、私は朗読コンサートの準備や後片付けなどでワサワサしていて、きちんと偲ぶことができず、ずっとそのことが引っかかっていました。
でも、ようやくこの週末、山脇さんに思いを馳せながら、あらためて絵本を楽しむ時間を持ちました。
今日はその話を書きたいと思います。
もうご存知のことかと思いますが、山脇さんについて少しだけご紹介します。
上智大の学生だった時から絵本の挿絵を手がけ、児童文学作家で実姉の中川李枝子さんとのコンビで数多くの作品を発表。
1963年に旧姓の大村百合子名で発表した「ぐりとぐら」シリーズの関連書籍は、累計二千百五十万部のロングセラーに。
2013年には中川さんと共に菊池寛賞を受賞しました。
こちらのブログでも中川李枝子さんと山脇(大村)百合子さんコンビの絵本について、いろいろと書いていました。
とにかく見ていると楽しい気持ちになるんだよなぁ。
他にはどんな本があっただろう?
あ、「いやいやえん」もウチにあるな。
そんなことを考えながら図書館に行き、こちらの作品を借りて帰ってきました。
ご自身でお話しも作っていらっしゃったんですね。
知りませんでした。
「ゆうこのキャベツぼうし」やまわき ゆりこ さく・え 福音館初書店
あらすじです。
ゆうこはキャベツをもらいました。キャベツを一枚はがして頭にかぶると、キャベツのぼうしになりました。
途中で出会ったこぐまにも一枚、こぶたにも、こぎつねにも一枚、うさぎにも一枚あげて、みんなでおそろいのキャベツぼうし。みんなで「おおかみおに」をして遊ぶことになりました。
すると、本当のおおかみが現れて・・・。
山脇さんはどんな感じのお話しを創る方だったんだろう??と ワクワクしながら読みました。
表紙からも伝わってくると思いますが、キャベツを1枚ずつはがしてぼうしにする、という発想がもう可愛い!。
こりゃ、魅力的なおはなしになるに決まってるよなーと思いました。
そして当然ながら、お話しと絵がぴったり。
お話しが先にできて絵を添えたのだろうか?
絵から思いついてお話しができたのだろうか?
不粋なことながら、そんなことを知りたくなってしまいました。
美味しそうなラストも大満足でしたよ♪
しかしまぁ・・・。
しょっちゅう言っているような気がして恐縮なのですが。
山脇さんの描く動物たちは、なんでこんなにキュートなんでしょう。
ちょっと怖いおおかみも、こうなります。
キャベツぼうしをかぶったオオカミのバックショットです。
(裏表紙の真ん中に描かれていたものを拡大しました。)
そうそう。
よく見ると、絵がちょこちょこと「語って」いたりするのを発見するのも楽しいです。
例えばキャベツぼうしをかぶったうさぎが、ちょろっとつまみ食いしていたり。
ゆうこちゃんのぼうし(大きな外葉)のかぶり方もリアルだったり。
「ぐりぐら」シリーズや「そらいろのたね」などの絵本も、
お話しだけでなく、絵からもストーリーが広がっていくところが魅力的でした。
改めて、これらの作品たちに山脇さんが注いでいたエッセンスの大きさを、思い知った気がしました。
訃報を告げる新聞報道には、中川李枝子さんの話が掲載されていました。
印象的だったのは、中川さんは、開口一番に「とてもかわいい子でした」と仰っていたことです。
現在は共に80代の姉妹。でも妹を語るときに「かわいい子」という言葉が自然に口に出てくる。
姉妹の仲の良さと同時に、現在の中川さんのお気持ちが伝わってきました。
山脇百合子さん、たくさんの素敵な絵をありがとうございました!!
かえるのエルタも大好きでした。
薫 20221024