おはようございます。

もうすぐ節分で立春です。

時間がたつのは早いですね。

 

もう2022年のうち、一か月が経ちました。

12分の1年という事です。

 

数字が登場する本の中でも、多分一番大きい数字じゃないかと思う絵本に関連する本のことを書こうと思います。

紛らわしいですね(笑)

 

 

それは↓この絵が裏表紙に描かれている本です。

とっても可愛くて、なんともいじらしいというか、ほのぼのというか・・・なんと表現したらいいのでしょうか?トラ猫の手が白猫の背中に回っている後ろ姿。おわかりの方が多いと思います。だから、ちょっと切なくなってしまう。あの猫のカップルですよね。

 

 

前回、薫さんが「100万回生きたねこ」を紹介しました。

その中でも書いていましたが、とても人気のある本で、ファンがたくさんいて、多くの方が朗読もされています。

 

私も薫さんと同じ理由で「きらい」とか「死」という言葉が何度も繰り返し出てくるので、自分の声で何度も言わなくてはならないのが辛くて、朗読や読み聞かせから逃げてきた作品です。でも、薫さんの朗読を聞いているうちに気持ちが少しづつ変わっていきました。

 

注目すべきことは、そこではないんじゃないかなって思うようになったのです。そして他の人はどう思っているのだろうか?と・・・そして、最近図書館で見つけたのが、この本↓です。

13人の著者 「100万分の1回のねこ」 2015年講談社出版

 

江國香織「生きる気まんまんだった女の子の話」
岩瀬成子「竹」
くどうなおこ「インタビューあんたねこ」
井上荒野「ある古本屋の妻の話」
角田光代「おかあさんのところにやってきた猫」
町田康「百万円もらった男」
今江祥智「三月十三日の夜」
唯野未歩子「あにいもうと」
山田詠美「100万回殺したいハニー、スウィート ダーリン」
綿矢りさ「黒ねこ」
川上弘美「幕間」
広瀬弦「博士とねこ」
谷川俊太郎「虎白カップル譚」

 

この本を見つけた時には、驚きと嬉しさと・・・芥川賞などを受賞されている錚々たる人たちが佐野洋子さんの「100万回いきたねこ」をトリビュートしてるんだ!やっぱりすごい本なんだ!どこに惹かれて、どこに影響されて短編を書いているんだろう?とワクワクしました。もちろん、今回のブログの最初に載せた「ねこのカップル」に一番惹かれたのかもしれませんが・・・

 

 

内容は有名作家さんたちのトリビュートの短編、アンソロジーです。くどうなおこさんの詩であったり、「100万回生きたねこ」の絵本にかかわるエッセイだったり、物語だったり・・・とても興味深く読みました。最後が元夫の谷川俊太郎さん、最後から二番目が息子の広瀬弦さん。人間関係や、作家さんたちのつながり等も興味深く、気になるところでもありました。広瀬さんの作品だけがこの本のための書き下ろしで、他は「小説現代」2014年10月、11月、12月号に掲載されたものです。

 

 

トリビュート短編集は、一度にたくさんの作家さんの作品を読むことができ、とてもいいと思いました。自分の好みを発見でき、次はその作家さん一人一人の本を読んでみたくなりました。

 

 

そうそう、2015年の「佐野洋子展」に寄せて、私が朗読した本のお話はまた今度させて頂きますね。

 

※最近よく使われている「トリビュート」とか「アンソロジー」とか古い人間の私は恥ずかしながらわかりにくく、いい機会なので調べてみました。

トリビュート:感謝の証として捧げるもの、賛辞、を意味するらしい。

アンソロジー:複数の作家さんが特定の題目(テーマ)で手掛けた作品をまとめた選集のことらしい。

 

 

泉 20220201