巻き込まれる過去 | はりねずみのジレンマ

はりねずみのジレンマ

最初に決めた二人の約束は、破られてしまいました。

「ムカつかないの?」
   ぜんぜんとは、言わないけど。もうそういう次元じゃなくなった。

「この女と最近あってるらしいの。」
   そうなんですね。楽しそうで良かったです。

「・・・なんとかしなさいよ。」
   いや・・・なぜ、私に言うんですか?なんで、私に。

「あなたのせいだから。絶対に逃さないから」
   大野くんと私、もう関係ないですよ。連絡先も知らないし。

「だから、なに?」
「あんたのせいだから。あんたのせいだから!!」


急に大声で同じ言葉を繰り返す目の前の人は、もう戻ってこれないのかもしれない。
人だかりが出来始めたけれど、私は周りからの問いかけにも答えられなかった。
しばらくすると、誰かが呼んだ警察官がやってきた。