第8回防災クルーズは、12月並みの寒さのなか、多くの方にご参加いただきました。参加者は100%マンション住民の方で、「防災」への意識の高さがうかがわれました。マンション理事会や管理組合の方も含まれていました。

 

今回は、出港場所となった新しい「朝潮運河船着場」(防災船着場の重要性)や新しい人道橋の重要性(災害時の複数の避難路の確保)から始めました。

 

 

晴海運河に入ってからは、今話題の「晴海ふ頭公園のTOKYOモニュメント」について、都立公園ではありますが、利用者(中央区民)の声が都に届かない問題点について。さまざまな防災対策では都が主導(災害時の舟運のルート等)しますので、東京都と中央区の連携は平時から大変重要です。少なくとも現在都区連携がうまくいっているとは,.思えません。

 

 

ルートは佃方面へ。

晴海運河から眺めると、スーパー堤防の美しさが目を引きます。

中央区の堤防は6m。なぜ6mなのか?その根拠と安全性について。また安全性だけではなく、土手を芝生で覆い堤防上は植栽をすることで、公園が少ない中央区において「緑被率(約10.7%)」のアップに貢献しています。

 

 

また舟から見ると多くの住民が、ジョギングや散歩を楽しんでいる様子が見えます。水辺は区民の貴重な財産。テラスだけではなく、災害時に向けて防災船着場を1つでも多く(現在7か所)設置していくこと。特に市街地再開発においては、地域貢献策として必ず地域に開かれた船着場を設置することは、私の重要な政策の1つです。

 

 

大川端リバーシティ前では、ここから中央区の市街地再開発が始まり勝どき、晴海と進んでいったこと。大川端はもともと造船所があったところであり、勝どきは倉庫街を中心に、晴海フラッグは選手村になる前は何もない(誰も住んでいない)といった主な再開発の歴史を振り返りながら、現在進んでいる月島3丁目のように月島独特の長屋や路地が残る街の再開発が私たちの街に与える影響については皆さんと一緒に考えてみました。

 

 

石川島公園を回って隅田川を下ります。

右手には、中央区の防災拠点病院、聖路加国際病院。すぐ近くには明石町防災船着場があります。

年に1度開催される中央区の防災訓練では舟運を使った訓練も行われますが、今後は物資の輸送だけではなく、疾病者を想定した人員の搬送訓練が必要です。

さて、いよいよクルーズはクライマックスへ。

災害時(停電時)に、いかにエレベーターを動かし続けるかは、マンション居住者が95%を占める中央区において最重要課題の1つです。消防法の関係で各マンションが備蓄できる燃料が制限されている(約6時間分)中で、どのように「在宅避難」を継続できるのか?区は明確な施策を出していません。自助・共助(マンションでは自治会)に任されているのが現状です。

 

そこで豊海沖に停泊している船舶用タンカーを舟から見ていただきました。船舶燃料は軽油とA重油であり、自家発電機の燃料と互換性があります。その活用のために今、行政は何をなすべきかその政策をお話ししました。

 

今回で8年目の防災クルーズですが、たった1年で臨海部は変わります。昨年まであったものが今年はなくなっている、気づかない間に新しいタワーマンションができている等…

絶えず変化し続けることが、臨海部の魅力でもあり、危うさでもあります。特に人口が急増する中で、この街が防災の面からどの程度の人口を安全性を確保しながら受け入れることができるのか、私はたえず警鐘を鳴らしながら、行政に対し具体的な提言を続けてまいります。