最新の中央区の人口は17万4千人。推計では2027年に20万人を突破する見込みです。臨海部を中心とした、人口の急増をいち早く想定し、政策に取り組んできたのは、ほかならぬ、この中央区です。各種委員会や協議会の資料を遡ってみたところ、基幹的交通システムの導入という構想は、平成10年、中央清掃工場の還元施設としてのLRTの導入から始まりました。

 

 まずは、民間のLRT勉強会という形で立ち上げられ、これに区と東京都も参加。その後、平成19年に区内公共交通のあり方調査が行われ、コミュニティバスの導入、水上交通の活性化、新しい基幹交通の必要性等が示されました。そして、この調査が、平成20年の地域公共交通会議設置へとつながります。

 

 そこで晴海BRTターミナルに入ってきた連接バス

ここで、都政に大きな動きがありました。東京都が、2016年オリンピック・パラリンピック開催都市として立候補したのです。このときは中央区晴海は主競技場になる予定でしたので、LRTの整備が急務となりました。中央区総合交通計画が平成24年6月に策定され、この計画に基づき、地域公共交通会議が継続的に開催されます。結果的に、2016年の東京五輪は実現しませんでしたが、中央区内のLRT構想は進みます。

 

 勝どき交差点

 ここでまた、二回目の大きなニュース。2020年オリンピック・パラリンピックの開催都市が東京都に決定したのです。これが平成25年9月。東京都は、広域的観点から、BRT導入の検討を始めます。そして、中央区が進めてきたLRT導入構想を、短期に準備が可能であるBRTに変更し、東京2020大会の競技場が集中する江東区、港区も含めた臨海部の広域事業として進めることになったのです。

 

人口が急増する月島地域(臨海部)の20年にわたる中央区の基幹的交通システムの整備計画、これが2年前、ようやくBRTとしてブレスタートしました。しかし、問題はこれからです。東京都の事情により、築地市場移転の2年の遅れ、それに伴う環状2号線本格開通の遅れという状況の中、第1次プレ運行以降、今年4月1日ようやく第2次プレ運行が発表されました。

 

また、本格運行は、来年4月1日の晴海フラッグの街びらきには間に合わせたいようです。

 

 

 そもそも、BRTとは、専用空間を持ち、既存のバス交通に比べ、定時性、速達性が向上し、利用者の利便性が向上するもの。つまり、専用空間を走行し、定時性、速達性を確保できるのがBRTなのです。

 

しかし、現在の手東京BRTでは、専有道路も優先道路もなく、PTPS(公共車を優先させるシステムの)導入を図り、速達性、定時性を確保する”というものでした。

 

臨海地下鉄の話も進んではいますが。15年先20年先の話です。それよりも、「今」このBRT(バス高速輸送システム)をいかに早急に進化させていくか、東京都任せにせず、中央区がしっかりとリーダーシップをとり進めていくべきと考えます。

 

 今回発表された第2次プレ運行のルートです。