昨年5月25日に東京都が発表した、首都直下地震等による東京の新しい被害想定。

 

災害シナリオで指摘された1つがタワーマンションの災害対策の重要性です。高さ45mを超える高層建築物は前回の被害想定作成時の10年前よりも1千棟も増えて3,500棟となりました。

 

新耐震基準のマンションは耐震性に優れているので、避難所ではなく在宅避難となりますが、そこで問題になるのが停電によるエレベーターの停止です。

 

エレベーターの停止が長期化すれば、中高層階では、地上との往復が困難となります。シナリオでは、被災生活の長期化で住民の不安が高まると、特に心身への被害を受けやすい高齢者等の災害関連死に繋がる恐れがあります。

 

基本的に中高層マンションには自家発電機が整備されていますが、備蓄燃料は消防法により制限されており、エレベーターを動かし続けることができるのは 3~6時間しかありません。

 

そこで注目しているのが、船舶燃料です。

東京港を利用する巨大なコンテナ船に給油するため、膨大な量の燃料が、晴海ふ頭沖に停泊している小型タンカーにはあります。こうした海上備蓄燃料を活用するためには、消防法をはじめ、さまざまな法改正が必要となりますが、その可能性は大です。