東日本大震災の際、岩手・宮城両県の病院で亡くなった1042人のうち、少なくとも138人は、通常の診療体制なら命を救うことができた可能性が高いと、言われています。

 

つまり「防ぎえた死」であったという、厚生労働省の調査結果は大きなショックでした。停電による人口呼吸器の停止や、手術の中止等がなければ、助かった多くの命。

 

災害時にも診療を一定期間継続できる備蓄燃料があれば、助けることができた死。燃料の備蓄は停電による生活利便性の低下という問題はもちろん、命に関わる問題であることを再認識させられた方も多いと思います。

 

都政新報によると今回(2023年2月15日)東京都災害医療協議会は、都が独自に指定する「災害拠点連携病院」の非常用電源の機能強化に向けた検討を開始しました。

 

都の災害拠点連携病院/非常用電源基準を具体化へ

 医療機関などで構成する都災害医療協議会は15日、今年度2回目の会合を開き、都が独自に指定する災害拠点連携病院(連携病院)の非常用電源の機能強化に向けた検討を開始した。大半の連携病院の非常用電源では、停電復旧までの目安となる「72時間の稼働」が困難となっている。その理由として、都が策定した非常用電源設置基準(設置基準)には非常用電源と燃料を確保する要件しかないことが挙げられる。同協議会の下に設ける部会で今後、「設置基準」の具体化を検討する。

 

 
 

 

全ての連携病院(137ヵ所)を対象に平常時の6割の電力量を72時間賄える非常用電源を確保しているかどうか調べた結果、全体の11,7%しか保有していないことが判明しました。つまり非常用電源が72時間稼働しない連携病院が121ヵ所にも及ぶことになります。

 

東京都は連携病院に対し非常用電源の確保、備蓄燃料の確保のための助成をしっかりと行うことが必要です。