「水辺の活用」は、私のさまざまな施策(防災・教育・環境等)の中心となる柱です。そして活用するためには、水質に問題がないことが前提となります。

 

令和3年度の水質調査の結果が出ました。

 

昭和の時代と比べると、水質が改善されているのは明らかですが、高層マンションが増え、人口が増え、生活排水が増えるにつれて、都市問題としての川や東京湾の水質悪化は、自治体にとって新たな問題となっています。

 

私も委員会で度々取り上げていますが、

〇合流式下水道の問題

〇高層マンション建設による下水道のオーバーフロー問題

まとめると、

下水汚染の源流をたどると、東京23区の8割が合流式の下水道です。つまり、ふだん晴れている日は下水の全てが、きちんと処理されていますが、大雨が降ると、下水が未処理のまま、オーバーフローして河川や運河に放水されていく。つまり水質が悪化してしまう。このところの、いわゆるゲリラ豪雨も、この問題を悪化させています。

 

 

以下、委員会議事録から関連する部分を抜粋添付しました。

ちょっと長いですが、是非、お読みください。

 

令和3年6月環境建設委員会

〇青木 まず、令和2年度河川水質調査結果についてです。

 河川の水質調査につきましては、昔、私たちが小さかった頃に比べますと、格段によくはなっていますが、それでもまだ問題はある。そして、ちょうど2年前の決算特別委員会のときに質問しましたが、まだオリンピック・パラリンピックが2020年の開催予定でしたので、港区ですが、スイミングの会場となるお台場の水質問題がかなりテレビでも取り上げられました。そのときに、なぜお台場エリアは水質状態が悪いかといいますと、合流式下水道ということが都心部の問題として明らかになったわけです。

 そのときの答弁といたしましては、中央区では、幾つかポンプ場がありますので、このポンプ場で高度処理を進めていくことでかなり川の水質汚染を防ぐことができる。それから、もう一つ、しゅんせつです。これはきれいにするための分かりやすい方法ですが、これも東京都に働きかけて、今までよりもしゅんせつの回数を増やしてもらう。この2つを答弁としていただいております。まずは、その後、どのような対策が取られたのか、現在の水質問題につながっていくと思いますので、御答弁をお願いいたします。

○三留環境政策課長(参事)
 河川の水質対策として、先ほど御案内いただきましたポンプ場の高度処理水、それから河川のしゅんせつ、そういったものに東京都が順次取り組んでいるところでございますが、本区の河川につきましては、干潮河川でございますので、潮の満ち引き、または上流からの堆積物の流下ということで、これは一度しゅんせつすれば川底がきれいになるということではなくて、やはり数年サイクルでやっていかなければいけないという形になってございます。そういったところで、東京都のほうには、毎年、水質の浄化に関する要望等を上げさせていただいているところでございます。近年でというところでは、申し訳ございません。手元に資料がないので、どこでしゅんせつをしているかという御報告はできないところです。

 以上でございます。

 

○青木委員
 ポンプ場についてはどうなっていますか。

 

○三留環境政策課長(参事)
 ポンプ場も同じでございまして、水質浄化ということでは東京都建設局河川部、それから、東京都建設局河川部と対応する部署は違いますけれども、そういった意味では、下水道局に対する要望はまた別途させていただいているところでございます。

 以上でございます。

 

○青木委員

 それでは、毎年、要望書は出しているということで、実際にどれくらいしゅんせつが行われたかということにつきましては、後ほどお答えをいただければと思います。委員長、よろしくお願いいたします。

 水質調査について、今、エリアによっては高層マンションが大変集中しております。そうすると、地下にありますので、下水道管はそのままで、下水、流れる量は多くなってくるわけですが、これについては河川に影響はないのでしょうか。お願いします。

○三留環境政策課長(参事)
 マンション等の建設計画の中で極端に戸数等が増える場合は、下水道局のほうに、相応の協議がされていると聞いてございます。その場合、既存の下水施設が許容範囲であるのかないのか、そういったものは下水道局のほうで御判断いただいていると認識してございます。

 以上でございます。

○押田委員長
 先ほどの青木委員からの質疑の、しゅんせつのことがお分かりになったら、青木委員のほうにお知らせいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。よろしいですか。

○青木委員
 ありがとうございます。

 下水道局と直接協議をするのはディベロッパーですか。今、うなずいていらっしゃるので、ディベロッパーということで、もしニーズが多過ぎるということになれば、どういう対策が取られるのでしょうか。

○福島まちづくり事業担当課長
 マンション、建物を建てる際に一定規模以上の場合には、それがインフラに与える影響というものを、それぞれの業者と協議することになります。様々な考え方があると思いますが、建物の計画をインフラの許容内に収めるような計画にするだとか、あとは、大規模な開発の場合であれば、インフラ業者との協議の結果にもよりますが、そのインフラの改善というものも併せて協力しながらやっていくということも考えられるかと思います。

 以上です。

○松岡都市整備部長
 大規模マンションの設計の話になるんですけれども、実際に協議をするのは、設計業者という形が多いです。流量が多い場合は、一時貯留して、時間をずらして放流するというような形も取らせていただいております。

 以上でございます。

 

令和元年10月決算特別委員会

〇青木 それでは、日本橋川再生、水質問題についてお聞きしてまいります。

 決算書でいいますと258ページになりますが、ここに河川水質調査ということで5河川1運河というふうになっております。川、運河、あるいは海でも陸地に近いところの水質問題が、このところ急激に注目を浴びております。

 皆さん御想像どおりで、日本トライアスロン連合のニュース、オリンピック・パラリンピックのトライアスロン競技をお台場で行うということで、その水質が注目されている。水質プラス、日によってはにおいがすると。トイレのようなにおいがする。あるいは、溶けていないトイレットペーパーがぷかぷかしているというような情報もさまざま出てまいりました。そして、この理由ということで、これまでもずっと延々と続いてきたわけですが、今回、オリンピックということで注目といいますか、表に出たことは、ある意味、良いことなのではないか。そうしないと、これがそのまま続いていく。

 これというのは、下水汚染の源流ということです。簡単に言いますと、水質問題、東京23区の8割が合流式の下水道である。つまり、ふだん晴れている日は分離されているわけですが、大雨が降りますと、下水が未処理のまま、オーバーフローして東京湾に流れていくということで、水質が悪化してしまうというわけです。

 そこで、先ほど決算書の中に具体的にありました5河川1運河の中で、下水道からオーバーフローする下水溝は何カ所あって、どのくらいの未処理水、処理をされないまま、雨が多い場合、水量が多い場合、未処理水が流れ込んでいる可能性があるものはどれくらいあると把握していらっしゃいますでしょうか。

○三留環境政策課長
 下水の処理水の件についてでございます。

 まず1点、確認をさせていただきたいといいますか、訂正をさせていただきたいのが、委員御案内の合流式、通常、晴れているときは分かれているということではなくて、全部生活水も汚水も一括して流れている。晴れているときはポンプ所、処理場できちんと処理がなされています。大雨が降ってポンプ所等の処理ができない、能力を超えそうなときに、余水吐から下水の上水を処理するというのが現在の状況でございます。

 そういった余水吐の数ということでございますけれども、余水吐の正式な数は、申しわけございません、把握してございませんが、基本的には、ポンプ所でオーバーフローを排水する。それから、その途中の河川のところに放流渠がありまして、そちらから排出する。聞いているところによりますと、日本橋川の右岸だったか、左岸だったか、片側に関しましては、余水吐はもう閉塞したと。片側は、これから再構築、それから再開発等の、下水の改善によって閉塞していきますということは確認してございます。

 以上でございます。

 

○望月環境土木部長
 日本橋川の水質改善ということでお答えをさせていただきます。

 日本橋川に関しましては、地域でも水質改善に取り組んでおりまして、これまでもEMだんごの投入とか、いろいろなことをされております。また、区のほうとしましても、日本橋川の水質改善に向けては、東京都のほうにしゅんせつを働きかけ、毎年、一部ずつではございますけれども、しゅんせつを行っていただいている状況でございます。

 また、上流から下流に水は流れますので、上流からの水の改善も必要になります。そういった点につきましては、ポンプ所の高度処理というような形で、流れてくる水をきれいにしていただくということで、日本橋川の上流につきましても、そういった対応をしていただいているところでございます。

 また、すぐ上流にあります銭瓶町ポンプ所が、現在、工事中でございますけれども、そこが改善されますと、またさらに水質の改善につながるであろうと考えておりますし、先ほどの分流、合流の関係でいきますと、浜町のポンプ所も改修といいますか、今後、予定がされている中で、下水管の布設が行われた後には、日本橋川の片側の雨水のポンプ所への流れができるというような形になってございます。

 いずれにしましても、日本橋川水質改善には、昨日も話がございましたけれども、新しい考え方も出てきている状況の中で、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

 以上です。

 

○青木委員
 日本橋川水質改善については、区のほうでもずっと取り組んでくださっているということは耳にしております。その中で、EMだんごというものがよく出てくるんですけれども、これは効果があったんでしょうか。さまざまな実験が行われたようですので、ほかの方策で何か効果があったものがあれば教えていただきたいということと、合流式下水道というのは、やはり根本的な問題ですので、出てきたものを幾ら処理しても、流れてくる下水のほうが多ければ、それをろ過することはできない、きれいにすることはできない。ここがやはり合流式下水道の大きな問題だと思うんですけれども、今、答弁の中にありましたポンプ所が稼働の量をふやすと、つまり合流式下水道については、かなり改善されるということなんでしょうか。

 これまでの取り組みと、合流式とポンプ所の関係について教えてください。

 

○吉田副区長
 水質浄化に、例えばEMだんごがきくであるとか、いろいろなお話がございまして、そのたびに私どもも実験してみるんですけれども、置かれた自然環境からして、現実の問題として、かなり効果が上がっているとは言いがたい状況もいろいろございます。

 正直申し上げると、その局部における水質浄化というのはなかなか難しくて、今、委員がお尋ねになっておりますように、下水道の全体のネットワークの改善という問題もあるでしょう。それと同時に、実は、日本橋川などでは特にそうなんですが、やはり外堀の部分も溢水ということで水が入ってまいりますので、そういう部分の、つまり流れがとまっている水が入り込んできた場合にも、やはり問題が出るわけでございまして、私どもとしては、やはり長期的に、東京都との関係も含めて、全体的な話なんですが、水循環というものをどういうふうに考えるかということだと思っています。

 今、実は、非常に矛盾した話ですけれども、例えば東京駅などは、かなり地下を掘り進みました関係上、建物自体にかなり浮力がかかっておりますので、地下水をくみ上げて、これまた別のところで放流をしたりしております。現実の問題として、私どもからすれば、例えば外堀の水等のところに放流して、水を常時流すようにすればどうなんだろうとか何かということは、いろいろ考えざるを得ない。かなり無駄なことを相互にやってしまっておりまして、水循環というものが都市構造としてちゃんとできているかどうかということをこれから考えなければいけないと思います。

 水質浄化という問題については、私どもは、今、日本橋の上から、現実の問題として、高速道路を取りさらいます。それであればこそ、余計水質もどうなんだということに、やはり日が当たってくるはずでございまして、その部分を含めて、私どもとしては、東京都内の水循環を、下水道を含めて、どういうふうに確立するのかという問題を、これから東京圏という広い地域の中で、どういう水循環を確立するのかということをきちんと議論をしていかなければいけない問題だと思っておりますので、そういう部分も含めて、浄化という問題を考えていきたいと思っております。

○青木委員
 吉田副区長に御回答いただきまして、ありがとうございます。私が心配しておりますのは、都市化が進み、建物が上に伸びることによって、人口はふえております。ということは、トイレや台所の数も巨大化していく。しかし、下水道管の大きさは変わらないんですよね。ということは、まさにこれから長期的な取り組みが必要になっていく。副区長がおっしゃったように、日本橋川の再生も掲げております。2019年からです。もう既に始まってはおりますが、水質の浄化が始まっていけば、まさにこれが一つのオリンピックレガシーになると思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。