今年3月に開催された第1回定例会での私の一般質問、特に再質問に対する吉田副区長の答弁が、今改めて読んでみると、大変興味深い。というご意見をいただきました。

確かに。

 

再質問に対する答弁は、「区議会だより」には載らないので、ここで取りあげてみました。

中央区議会HPの議事録から抜粋

 

〔十七番 青木かの議員登壇〕

○十七番(青木かの議員)
 簡潔なお答え、ありがとうございました。

 ちょっと具体的に再質問させていただきます。

 

・・・・・

 そして、二つ目、一系統から三系統、第二次プレ運行では、三系統、三つのルートになりますが、全てが環状二号線を通ります。その時点では、環状二号線は暫定開通ですので、片道一車線です。片道一車線でBRTのルートだけを増やす、三系統にするということで、やはり不安を感じますので、この点について再質問させていただきます。

 

 間に合うか間に合わないかというのは、本当に想像の域ですので、再質問はいたしませんが、これまでのBRT、LRTに関する状況をずっと見てきまして、本当に何があるか分からない。区内だけではなく、東京都、そして今や国で何が起こるか分からない状況の中で、やはり間に合わない場合、そこで不便を被る被害者になる、入居なされば、もう区民ですから、入居なさった区民のために何か準備をしていく、しておくということが、私は大変重要であると考えます。あるいは、今、HARUMI FLAGは大変人気がありますが、もう購入なさった方もいらっしゃいます。未来の区民の方、そして入居なさった後、区民になった方へのサービスとして、これは中央区の責任になってくることは致し方ありませんので、何か構想を練っておくことが必要ではないかと私は考えます。これは再質問ではありません。

 

 それから、定時性、速達性の確保についてです。

 お答えの中にありましたPTPS、これは公共車両優先システムのことですが、私も、これについて調べました。というのは、先日の第一次プレ運行に際して、東京都都市整備局が大変立派なパンフレットを出しておりますが、急にこのPTPS、公共車両優先システムについて強調をしているんです。その代わり、専用道路、少なくとも優先道路という言い方、言葉が消えています。それが消えて、その代わり、このPTPSが出てきたわけですが、確かに、日本全国を見てみますと、大変効果を上げているところもあります。しかし、効果を上げているのは、LRT、つまり軌道がある、バスでいえば少なくとも優先道路を持っているバス、プラスPTPS、公共車両優先システムでは大変効果があるという結果が出ているようですが、浜松市や静岡市などの例が出ておりました。中央区について、これはまだ社会実験を行うこともできません。その中で、このPTPSで十分な定時性、速達性は確保できるんでしょうか。これは三つ目、再質問させていただきます。

 

 それから、近隣区との協力体制です。

 今、あえて固有名詞は出てきませんでしたが、東京都と、当然、江東区の協力が必要になってまいります。この地下鉄、江東区有明まで伸びていますので、江東区との協力体制が必要になってくる中で、皆さん御存じのように、江東区の長年の悲願であるのは地下鉄八号線の延伸です。そこを私はちょっと心配しておりまして、江東区は地下鉄八号線の延伸を優先している中で、江東区との協力体制をしっかり取っていくことができるのか。

 

 ただし、プラスの情報としては、先日、都政新報に、東京都が大変臨海部の開発には力を入れているということが出ておりました。この江東区と、そして東京都のバランスを取りながらというか、東京都にしっかりとリーダーシップを執っていただいて、中央区もリーダーシップを執りながら、協力しながら、臨海地下鉄を進めていくということで、改めて江東区との協力体制が、今、どの程度進んでいるのか、できているのか。これが、その次の再質問です。

 

 地下鉄開通までの対策は、今お答えにありましたように、都バス、BRT、それからコミュニティバス、江戸バスのことですが、いろいろなものを含めまして再編ということは聞いております。これら今ある交通機関を再編すること、それから民間の方にも協力をしていただきながら、区を挙げて地下鉄開通まで、それが早まるのが一番ですが、地下鉄開通まで対策を取っていかなければならないということは理解しております中で、続きますが、私が提案させていただいた環状三号線の勝どき、芝の延伸。建設については、私は素人ですが、これは単に、勝手に言っているのではなく、いろいろなところで勉強会にも行きました。事情も聞いてきました。その中で、かなり環状三号線に期待しているという声を聞いております。しかも、トンネルですので、時間がかかるということは分かりますが、地下鉄と両方進めると、どちらが早く整備できるかというと、環状三号線ではないかということを言っている専門家の方もいらっしゃいます。

 

 そして、新島橋、ようやく六月に終了いたしますね。新島橋が完了いたしまして、そのまま勝どき、そして、地下通路を使って、トンネルを出れば東京タワーという、これは大変観光資源にもなると思いますので、地下鉄開通までの対策と環状三号線について、もう一度中央区としても力を入れていくお考えがあるかどうか。あるいは、今、余り討論されていないので、もう地下鉄一本でいくというお考えなら、それはそれで、環状三号線について、地下鉄開通までの選択肢の一つとして、もちろん、それはずっと中央区のレガシーとして残りますので、この点について、これが最後の再質問になります。

 以上、よろしくお願いいたします。

 

〔副区長 吉田不曇君登壇〕

○副区長(吉田不曇君)
 再質問について、お答えさせていただきます。

 このBRTにとっては、実は、議員も御指摘された二年間の空白というのは、非常に痛いわけでございます。と申しますのは、基本的に、例えばある交通機関ができて、それではどちらを使うかというのには、少なくとも半年ぐらいの余裕は欲しいんです。つまり、通勤についても、通学についても、大体半年ぐらいの定期券をお買いになっている方が多いので、逆に、そういう方たちがどの道を選択するかという意味でいうと、あるイベントの前にこういった交通機関が動き出すとしたら、やはり半年前に動いていないと、行き先がなかなか見つからなくて、どれだけの交通量のバランスになるのかというのがなかなか見えにくい。そういう意味で、非常に今回の第一次プレ運行についても、二次のプレ運行についても、基本的に、そういう残念さというものがやはり付きまとっています。

 

 とりわけ、道路整備が遅れている関係上、実は、かなり大きく九十度角度で曲がらなければならないところがかなりあるものですから、基本的には、一次運行についても、二次運行についても単車運行が非常に多くなってきている。そういったことからして、いわゆる交通混雑時における輸送力として、実態的にどれぐらい期待できるかというのは、正直、今の時点ではっきり予測ができるわけではございません。

 

 そういう意味で、私どもから御答弁させていただいておりますように、基本的には、新橋方面への人の流れと、東京駅方面への人の流れというものがございますので、BRTと都バスの運行を両方充実させていくことによって、何とか一次、二次、三次というところもやっていこうと思っております。

 

 実は、次の質問にございます公共車両優先システムについてでございますが、これも、いわゆる環状二号線の本体計画がきちんとできなければ、公共車両優先システムそのものもうまく導入できない部分がございますので、そういうものも含めて運行してみないと、現時点で、これは絶対大丈夫ですというふうには申し上げられません。ただ、いわゆる環状二号線が完成した暁には、そういったことも十分に期待可能だというふうに、私どもとしては考えているということでございます。

 

 臨海地下鉄についてのお尋ねでございます。

 特に、近隣区との協力関係についての課題でございますが、これは議員も十分御承知のとおり、一昨年の十月の市場移転に際して、東京都が江東区に対し、八号線の問題についても基本的にはめどをつけるからというようなお話をしながら、市場移転を行い、そういう条件の下に市場移転を行ってしまった上で、現実に、まだ東京都と江東区の約束が履行されていない状況でございます。そのため、私どもがのこのこ江東区に行きましても、まずそれが先だというようなお話になる部分が明確でございますし、私ども、その部分については、東京都ではございませんから、何の約束もできるわけもない話でございます。

 

 そういう、いわゆる混乱状況を、さらに混乱させるつもりはございませんので、当面のところは、私どもは、それは基本的に東京都の責任だと思っておりますから、東京都において、私どもの要望を受け止めるのと、江東区の要望をきちんと受け止めるのと、両方において整理をしてくれということを、先ほど答弁でも申し上げましたように、東京都に要望をしているわけでございます。それが今のところ、唯一のやり方だと思っています。

 

 しかしながら、地下鉄構想につきましては、これはやはりいろいろな国の力とか、そういったものも借りなければいけませんので、私どもとしては、今後、つくばエクスプレスなど予定されている路線の計画者との連携とか何かというものも含めて、かなり幅広な地域的な連携を取りながら、なるべく早期に都市計画決定に至るような形の計画の進捗を東京都と私どもと、そして国との連携あるいは交通機関運営会社との連携、そういったものも早期に実現させるよう努力をしていきたいと思っております。

 それから、最後のお尋ねでございますが、環状三号線の問題でございます。

 

 本区において、未着手のいわゆる幹線道路と言われるものについては、現実問題として、東京都が計画化しておいて未着手というのは三つございます。環状三号線であり、それから三一四号線という道路と、それから首都高速晴海線の都心部延伸でございます。私どもは、今回、首都高速の地下化を含めて、全体の体系が出来上がっていく中では、首都高速晴海線と、いわゆる都心の環状線との連結というのもあり得るかなと考えておりますので、そういった部分は促進をさせていこうと。三一四号線につきましては、御案内のとおり、新交通システムが勝どきまで入っていくという計画の片割れでございますので、これ自体については、明確に、晴海の地域における、いわゆる区画道路としての三一四号線は認めるわけですけれども、勝どきに渡っていく三一四号線については要らないのではないかという認識でございまして、これらについては否定をしていく。その上で、環状三号線が、三一四号線の入ってくる道とか何かに妨害されずに、ある意味でストレートに入っていくのであれば、環状三号線の有効性ということも否定できないので、そういった全体の道路に対する本区の姿勢というものを整理させていただいて、東京都に、我々としては働きかけていく必要があるというふうに認識しているところでございます。

 

 高速道路全体については、御案内のとおり、地元の悲願でございました日本橋区間の地下化というような問題、それに引き続いて、やはり基本的には上野線の廃止というような問題についても、今後とも働きかけていかなければならないと思いますけれども、一般の道路に関して言えば、そういった状況にあるということを御理解いただき、我々はそういう方向に向かって働きかけてまいりますので、御協力のほどお願いいたします。

 以上でございます。

 

〔十七番 青木かの議員登壇〕

○十七番(青木かの議員)
 吉田副区長、真摯な答弁ありがとうございました。

 私も同じ思いなんです。実は、自分でこの質問をつくっておりまして、一番最初に出てきた構想というのが、私が調べたところに間違いがなければ、中央区の中で銀座と晴海、臨海部というよりも、銀座と晴海を結ぶLRT、LRTは見晴らしもいいです。その中で、トランジットモールという考え方もあったようです。トランジットモールにすることで、銀座、そして築地の回遊性を高めていくという、すばらしい構想がありました。

 しかし、人口回復の中で、回復し過ぎというのはちょっと語弊がありますが、これはいいことなんですよ。人口が予想よりも増え過ぎてしまったことで、LRTでは十分な輸送力がないということで、これが地下鉄につながっていく。ただし、この地下鉄の路線を見たときに、私は、ある種の感動を覚えました。銀座、築地、勝どき、晴海、そして今回は臨海部がまた発達しておりますので、豊洲、東京ビックサイト、有明と延びてはおりますが、銀座、築地、勝どき、晴海というルートを見たときに、これこそ最初に中央区が予定していたLRTのルートなんです。ですから、そこに中央区の思いが込められているということで、この地下鉄、私も別に、これに反対するものでは全くなく、できるだけ早い時期に、これが実現できますよう、今、問題点も共有することができましたので、私たちも協力させていただきたいと思います。

 これで私の一般質問を終わります。ありがとうございました。