最新の中央区の人口は17万人。推計では2025年に20万人を突破する見込みです。臨海部を中心とした、人口の急増をいち早く想定し、政策に取り組んできたのは、ほかならぬ、この中央区です。各種委員会や協議会の資料を遡ってみたところ、基幹的交通システムの導入という構想は、平成10年、中央清掃工場の還元施設としてのLRTの導入から始まったようです。

 

 まずは、民間のLRT勉強会という形で立ち上げられ、これに区と東京都も参加。その後、平成19年に区内公共交通のあり方調査が行われ、コミュニティバスの導入、水上交通の活性化、新しい基幹交通の必要性等が示されました。そして、この調査が、平成20年の地域公共交通会議設置へとつながります。

 晴海BRTターミナルに入ってきた連接バス

ここで、都政に大きな動きがありました。東京都が、2016年オリンピック・パラリンピック開催都市として立候補したのです。このときは中央区晴海は主競技場になる予定でしたので、LRTの整備が急務となりました。中央区総合交通計画が平成24年6月に策定され、この計画に基づき、地域公共交通会議が継続的に開催されます。結果的に、2016年の東京五輪は実現しませんでしたが、中央区内のLRT構想は進みます。

 勝どき交差点

 ここでまた、二回目の大きなニュース。2020年オリンピック・パラリンピックの開催都市が東京都に決定したのです。これが平成25年9月。東京都は、広域的観点から、BRT導入の検討を始めます。そして、中央区が進めてきたLRT導入構想を、短期に準備が可能であるBRTに変更し、東京2020大会の競技場が集中する江東区、港区も含めた臨海部の広域事業として進めることになったのです。

 

 人口が急増する月島地域(臨海部)の20年にわたる中央区の基幹的交通システムの整備計画、これが本日、ようやくBRTとしてブレスタートしました。しかし、問題はこれからです。東京都の事情により、築地市場移転の2年の遅れ、それに伴う環状2号線本格開通の遅れという状況の中、第1次プレ運行以降、第2次プレ運行、そして、築地の地下を通るトンネル開通後、ようやく本線本格運行となります。

 

勝どきBRT

 そもそも、BRTとは、専用空間を持ち、既存のバス交通に比べ、定時性、速達性が向上し、利用者の利便性が向上するもの。つまり、専用空間を走行し、定時性、速達性を確保できるのがBRTなのです。

 

この点について、私は今年第1回定例会の一般質問で取り上げました。区の答弁は‟本線開通後の本格運行時には、簡便な運賃の支払い方法の採用などにより、停車時間の短縮を図ることに加えて、交差点で車両の通過を優先させる公共車両優先システムの導入を図り、速達性、定時性を確保する”というものでした。

 

臨海地下鉄の話も進んではいますが。10年先15年先の話です。それよりも、「今」このBRT(バス高速輸送システム)をいかに早急に進化させていくか、東京都任せにせず、中央区がしっかりとリーダーシップをとり進めていくべきと考えます。

晴海BRTターミナル

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