「きっかけ」とはなんぞや? | 湖南省で日本語教師

湖南省で日本語教師

湖南省の某所で日本語教師をやってます。専攻は中国語で、まだまだペーペーですが頑張ってます。

今日学校の図書館である一冊の本を借りました。


副用語の研究 (1983年)/著者不明

¥7
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先日呼んだ金田一春彦氏の著作『日本語』で引用されていた本です。気になって早速借りてみちゃいました。その中で、村木新次郎氏が書いた「地図をたよりに、人をたずねる」という論文があります。


その中で取り上げているのが、タイトルにもなっているように「N1ヲN2ニ」にという文成分についてです。


例文を挙げると・・・



阪神大震災きっかけ安全対策を見直す


今やエコロジー的な考え方は、自然食などの食べ物スタートに、暮らし方、自然との触れ合いにまで及んでいる。


新宿舞台中年の独身男と、彼を取り巻く奇妙な女たちの姿を描く。


などなど、実に様々な表現が挙げられます。


この「N1ヲN2ニ」形式でやると、N2にくる名詞は、


<時間>・・・きっかけ、境、目前、・・・・  

<空間>・・・背景、中心、舞台、会場、・・・・

<限界・焦点>・・・最高、頂点、重点、・・・・

<基準・根拠>・・・基準、基軸、・・・

<理由>・・・理由、口実、名目、・・・

<目的>・・・目的、目標、ターゲット


とにわけられると村木氏は考えています。日本語では成分が如何に変わろうと、言語形式は「N1ヲN2ニ」のままで変わりません。


では、ここで中国語と対照させてみるとどうでしょうか?「N1ヲN2ニ」の訳を考えると僕は真っ先に“以~为―”が思い浮かびますが、ここで上の文成分に当てはめることはほぼ不可能でしょう・・・。


というか、簡単そうに見えてこれはとても難しいような気がします・・・・


せっかくなんで少し訳してみましょう!!

就職して学校の先生になったのをきっかけにピアノを始めた(同書p.277より引用)

我以当老师为契机开始学弹钢琴了。(かんの訳)


もういっちょ


ボクは燃えた。その噂が事実だったのかは今でもわからないが、入学してからここまで3期連続で文化実行委員を務めてきた自負がある。成績目当てで立候補したヤツなんかに負けるわけにはいかない。
(乙武洋匡『五体不満足』より引用)

我开始心如火烧了。尽管我不晓得那个流言是否事实,但我入学以来蝉联了三届文化执行委员,对此我非常有自负。所以我不能输给像他那种为取得好成绩而竞选的人。(かんの訳)


ラスト


ママとくっついたバーテンが、ママを目当てにやってくる客の前へ姿をあらわさない習慣を50年も続けている。(同書.284より引用)

这50多年,跟女掌柜结婚的那个酒保保持着一个习惯――客人来吃她的豆腐的时候,他不让她服务。(かんの訳)


とまあ何でもかんでも“以~为”とか“为~而”と訳せるわけではないんですね。3つ目の訳は特に自信が無いので、どなたか良い訳があったら是非アドヴァイスを・・・(汗)“吃豆腐”じゃちょっと行き過ぎですかね・・・。あと“破折号”の使い方もこれで当っているのかどうか・・・。





あ~むずかしいむずかしい・・・。


以上長々と失礼しました~。


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