翻訳してみよう vol.21 ~さっさと読めよ編~ | 湖南省で日本語教師

湖南省で日本語教師

湖南省の某所で日本語教師をやってます。専攻は中国語で、まだまだペーペーですが頑張ってます。

依頼があった文を先ほど全部翻訳しました。


いや~大変でした。母国語を外国語に訳すのはやっぱり大変です。でもま~僕はそっちのほうが好きなんですけどね。


んでまー、これから期限ギリギリまで何度も校正を繰り返すわけですけども・・・・。翻訳って本当に終わりが見えないものでして。「これでもう大丈夫!!」って思って後々見直してたら、ポロポロと文法の間違いだったり、はたまた解釈の間違いだったり色々出てくるものです。本当にそんなものです。言わずもがな翻訳に完了はあっても完成はありません。


んでま~この翻訳が終わったら、前に買ったこの本を読もうかと・・・・ムフフ( ̄∇ ̄)


永遠の仔〈上〉/天童 荒太

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永遠の仔〈下〉/天童 荒太

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かなり前から読もうと思ってたんですが、今回ようやっと手に入れました!!中古で1円でした。でも送料がその340倍かかり(笑)、総計で682円に・・・。でもまあ充分安い安い。


あとで読もうと思ってますが、中国語版のタイトルは<永远是孩子>です。


でもこのタイトルってどうなんですかね?僕はてっきり<永远之仔>だと思ってずっとこの名前で検索してたんですが、一向に出てこない・・・。ちゃんと調べたら、<永远是孩子>だった。でもこのタイトルを見た時に思ったんです


中国語のタイトルを見ると、少し「?」という感じがしてくるんですが・・・。天童荒田氏が、タイトルになぜ「子」ではなく、「仔」を付けたのか、という理由について探究せざるをえなくなります。


これは、『吾輩は猫である』の中国語タイトルが<我是猫>という事実を耳にしたときと同じ感覚です。「何か他になかったの?」と考えずにはいられませんでした。まあこのタイトルはいささか問題があるように感じますが・・・。


翻訳する際には、言葉には細心の注意を払わなくてはならない。もう慎重に慎重に、石橋を叩いて叩いて、叩くだけでなく耐震構造指標を調べちゃったり、重量測定までもしてしまう!!それぐらい慎重になりましょう。


こういった小説、特に『永遠の仔』は数々の賞を取得した名作。


・・・そもそも小説って一体何なんでしょう?Wikipediaには、以下のような解説がありました。


小説とは文学の一形式である。


ここで、「文学」というキーワードが出てきました。では、文学とは何なんでしょう。


文学(ぶんがく)とは、言語表現による芸術作品の事をいう。それらを研究する学問も文学と称されるが、これについては文芸学で扱う。狭義には、小説や詩、文芸評論などを典型的な文学の例とする。


そうです。小説とは芸術作品の一種だったんです。って「赤文字にせんでもわかっとるわ!!」という声が聞こえてきそうです。


芸術って時には理屈で説明できないものなんです。でも、自分らの体全体で感じとって、それが脳に「素晴らしい」という言葉を浮かび上がらせている。


これは僕の大好きな日本のバンド、ZAZEN BOYSが4枚目のアルバムをレコーディングをするために、海外へ渡った時のことです。そこで彼らのプロデューサーを担当したデイブ・フリッドマン(WEEZERやFlaming Lipsを出かけるかなりの大物)は、彼らの音を聴いてこう言いました。(こっからマジで大事です)


「何が起こっているのか全然わからないよ。例えば芸術家がどうやって筆を動かしてるのか理屈では説明できない、けれどそれは素晴らしいものだ。これと同じ感覚を彼ら(ZAZEN BOYS)に感じたよ。」



いいでしょう。趣味や娯楽で楽しむんだったら、体で感じとるのは一向に構いません。でも、翻訳する際にはそうはいきません。翻訳者は頭で理解し、さらにその文を多言語に等価で置き換えてやらねばなりません。「等価」って何?っていうことは、以前に散々言ってきたんで、ここではもう触れません。


ほいじゃま、せっかくの「翻訳してみよう」なんで、何か翻訳してみましょう。今回は、この『永遠の仔』についている帯に書いてある、著名人たちのコメントを翻訳してみます。僕が翻訳するのは、作家宮本輝さんが書かれたこのコメント


原文

幼くしてかかえこんだ罪悪感が、新たな罪を否応なく生み出し続けるという連鎖は、人間だけの精神世界の歴史でもある。

その最初の鎖に足をかけざるを得なかった少女と少年たちが、どうやって解き放たれ、人間として成長していくのかを、私は極めて興味深く読んだ。



いや、まあ「さっさとこの本を読んで、それから翻訳せ―よ!!」って感じなんですけどね、いや、まあ、そのほうが正しいんですが・・・。とりあえず翻訳しますか(笑)


訳文(かんみ。訳)


 人类精神世界的历史有一条链锁:不管是否出于本意,从小就承担的罪恶感都不断产生新罪。这条“链子”也是人类精神世界的历史本身。

这个故事中出现一组少男少女,他们只好搭上这条链子的开头。让我感兴趣的是,他们如何从这条链子解放出来,又是作为一个人如何成长过去。




訳出のポイント

☆日中間の漢字表達の違い
 
・「鎖」と“连锁”、“链子”


☆“偏正結構”

最初の段落にある「連鎖」にかかるなが~い修飾語処理。


☆言葉のかかり

最後の文、「私は極めて興味深く読んだ」のかかる部分はどの部分か。



今回もかんなり難しかったです・・・。いやー疲れた。ここまで来るのに何時間掛けてるんでしょうか?


いや、「こんなことやってないでさっさとこの本を読みなさい」という声が聞こえてきそうです。


あ、やべ、論文書かなきゃ・・・。4月までにあと3本とか無理ゲーすぎる。