「検察が捜査している最中に、判断も出されていないなかで、安倍官邸が山口氏にアメリカでフェローとしての役職を与える──。これは、もしかしたら山口氏が不起訴になることを、安倍官邸はわかっていたのではないか。あるいはまったく逆で、山口氏を海外に“緊急避難”させようとした可能性もあるかもしれない。
伊藤さんによるイースト・ウエスト・センターへの取材によると、山口氏は結局、アメリカには渡らず、本人の依頼によって2017年3月29日に客員研究員の職は解消されたというが、いずれにしても、この新たな情報提供は、山口氏と安倍首相・官邸が、いかに特別な関係であったかを物語っていることは間違いない。
徐々に浮かび上がってくる、安倍首相周辺のきな臭い動き。伊藤さんが実名・顔出しで告発に踏み切ったことによって、性暴力被害者を取り巻く環境がいかに過酷であるか、警察・司法がいかに異常な状態にあるかということにスポットが当たるようになった。だが、伊藤さんの事件の特異性は、権力によって性犯罪の加害者の逮捕が取り消されたのではないかという点にある。これは法治国家の根幹を揺るがす重大事だが、そんな大きな力に押し潰されそうになるなかでも、伊藤さんは声をあげた。」 「リテラ」より
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