「9日に閉会した臨時国会は、閣僚の連続辞任や、安倍晋三首相の公私混同が指摘された「桜を見る会」の問題など、2カ月余りの会期で不祥事や疑念が続発した。だが、与党は野党が求めた事実解明のための審議などに十分応じず、政権への打撃回避を優先した。
9日夜、首相官邸であった記者会見。臨時国会で浮上した疑念に対する首相の説明は、それまで述べてきた内容をなぞる素っ気ないものだった。
記者団が「桜を見る会は、後半国会の大きな焦点となった。野党は税金の私物化だと批判を強めている」と質問すると、首相は手元のメモに目を落としながら語った。「長年の慣行のなかで行われてきたところだが、招待者の基準があいまいであり、結果として招待者の数がふくれ上がってしまった」
約30分の会見のうち、桜を見る会についての説明は約2分。幹事社による質問に1回答えただけだった。朝日新聞の記者は手を上げ続けたが指名されなかった。
首相は会見で「国民の皆様から、様々なご批判があることは十分に承知をしております」とも述べた。だが、国会では最後まで、野党などが指摘した疑念に具体的に答えなかった。」 「朝日新聞」より
ちらつく官邸の影 NHK会長1期限りで退任 揺れる信頼と「自主自律」
「NHKの上田良一会長(70)が1期限りで退任することになった。上田会長は、籾井(もみい)勝人前会長時代の混乱を収め、番組のネット常時同時配信の早期実施に道筋をつけた。局内外で評価する声は多かったが、退任の背景には、経営委員会による人選に影響力を持つ首相官邸の意向が働いたとされる。来年1月から後任の会長に就く、みずほフィナンシャルグループ(FG)元会長の前田晃伸(てるのぶ)氏(74)は「首相官邸の人脈」(自民党関係者)とされ、疑念が続くNHKの「自主自律」への信頼を回復できるかなど手腕が注目される。【小林祥晃、屋代尚則、松尾知典】」 「毎日新聞」より
安倍首相、憲法改正に「必ずや私の手で成し遂げる」
「安倍晋三首相は9日、臨時国会閉幕を受けて記者会見し、憲法改正について「必ずや私の手で成し遂げていきたい」と表明した。
衆院解散を巡り「夏の参院選で約束したことの実行に集中している」と説明。来年4月の秋篠宮さまの「立皇嗣(りっこうし)の礼」を踏まえ「即位に関わる儀式をつつがなく行う大きな責任を負っている」と述べ、来春までの解散に否定的な考えをにじませた。政府、与党は来年の通常国会の召集日について1月20日を軸に調整に入った。
首相の自民党総裁任期が残り2年を切る中、安倍政権の下での改憲に改めて強い意欲を示した発言。首相は「与野党の枠を超えて活発に議論し、令和の時代にふさわしい改憲原案の策定を加速させる」と強調した。「国のかたちに関わる大改革に挑戦し、新たな国造りを力強く進めていく。その先に憲法改正がある」とも述べた。」 「日刊スポーツ」より