【今週の風考計】8.18─『放射能測定マップ』の地道な成果! | 函南発「原発なくそう ミツバチの会」 ノブクンのつぶやき

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■17日、第62回JCJ賞贈賞式が日本プレスセンターで行われた。JCJ大賞は東京新聞の「税を追う」キャンペーンに、またJCJ 賞は4作品に贈られた。なかでも受賞した『図説17都県 放射能測定マップ+読み解き集』(みんなのデータサイト出版)への受賞理由や受賞者スピーチには、感銘を受けた。


■「市民による市民の調査が結実した貴重な特筆すべき成果。我々が見習うべき調査報道の在り方を示す」と、選考委員のメンバーが絶賛する。この本に目を通していた筆者には、改めて認識を新たにした。少し、この本の内容を記しておくべきだろう。

■「市民放射能測定室」のネットワークである「みんなのデータサイト」のメンバーが、なんと東日本の青森県から静岡県までの17都道府県3400地点の土壌サンプルを、延べ4000人の協力で採取し、セシウム134の測定結果から得たデータを、地図上に分かり易くカラーでマッピングし、合わせて各県ごとに解説を加えた画期的な本なのだ。

■8年前の3・11福島事故以降、政府は放射能汚染の影響を軽視し、その正確な実態調査を怠ってきた。福島事故の放射能汚染の実態は、今どうなっているか、多くの人々が知りたいと思っている。


■国は、空間線量を測って公表はしているものの、長期に放射線の影響を調べるには、土壌の汚染調査は欠かせない。だがこの調査はしていない。にもかかわらず避難者へ、帰還するよう煽り急かせている。こうした事態に危うさを感じた上記メンバーが、「非難する人、しない人、すべての人に被ばくを避け、人間らしく生きる権利を!」と、土壌調査プロジェクトをスタートさせ、2014年から3年かけて測定した数値を、2011年3・11時点に合わせて汚染状況を再現した。

■この取り組みの趣旨を表現した横断幕を用意し、6人のメンバーとともに登壇した受賞者代表の女性は、こう語る。
「縦10センチ、横20センチ、深さは地上から5センチ下の土壌を測ります。これはロシアのチェルノブイリと同じ方法です。採取法マニュアルを分かりやすく漫画で作り、WEBサイトに公開し多くの人に理解を促しました。根気よく呼びかけていくと、測定ポイントが増えていく喜びは格別。集まった東日本全域のデータの貴重さ、これをいかにわかりやすく市民に伝えるか、ここからみんなの議論が始まりました」

■その後は、汚染の危険性がある食品についてもデータを集め、さらにクラウドファンディングを活用し、自分たちの出版社を立ち上げ、A4版・オールカラー200ページ、チェルノブイリとの比較も視野に「日本版アトラス」を目指し、20年後・100年後の状況も加えて仕上げた。 ぜひ読んでほしい。発行所:みんなのデータサイト出版 https://minnanods.net/map-book/ (2019/8/18)

 

  日本ジャーナリスト会議「今週の風考計」より転載

 

 

 

この土壌調査に「原発なくそうミツバチの会」も協力した。

函南町内でも10カ所ほどの地点で土壌を採取、放射能測定して貰った。

その結果がこのように結実して嬉しい。

問題はその結果を今後の取り組みにどう活かしていくだろう。

我が家は3.11の一年後くらいに雨樋下の土壌を検査したら1000ベクレルを超えていて仰天したことがあった。

慌てて除染とばかりに土を掘り返し、人が通らない原野に廃棄したことがあるが、雨樋下の土のその後の検査では確か二桁程度に下がったと記憶している。

伊豆半島北部の西側地帯でも一時は猛烈な放射能雲に襲われたことがあったのだ。

東京五輪トライアスロン会場のお台場周辺海域の「トイレ」臭問題が話題になっているが、この問題の本当の怖さは東京湾の放射能汚染だろうと思う。

組織委員会は頬被りしているが、東京湾の放射能汚染水域で泳いでも問題ないのか。