市民と立憲野党の共闘を次につなげるために〜総選挙情勢を読む | 函南発「原発なくそう ミツバチの会」 ノブクンのつぶやき

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  中野晃一(市民連合)

 

*以下、10月21日に発表された中野晃一さんのFB投稿から転載紹介します。見出しは編集部。写真は10/11レイバーネットTVに出演した中野さん。

 


 立憲民主党が猛烈な勢いで支持を伸ばしているのと同時に、希望の党が急降下を続けています。

 

 

 選挙のひとつの焦点が、立憲民主党が希望の党を抜いて第一野党となれるかになってきました。もしなったら、それはすごいことです。公示前、立憲民主党はわずかに15議席、希望の党は57議席。立候補者数も、立憲民主党がわずか78名、それに対して希望の党は235名ですから。

 

 

第一野党が立憲民主党か希望の党かは、総選挙後の政局に大きな意味合いを持ちます。改憲発議に際して、第一野党が賛成に回るかどうかがその最たるものです。立憲民主党は改憲論議そのものに反対ではありませんが、9条改悪には反対の立場を明確にしているので、希望の党との違いは大きいです。

 

 しかし第一野党というのは、つまりは2番目に大きい政党ということですから、小選挙区で言えば、3着から2着に上がってきたというだけのことで、1着しか議席を取れない小選挙区では負けは負けになります。多くの小選挙区で、立憲民主党の候補がついに1着を射程に入れるところまで来ているので、比例復活ではなく小選挙区で彼らには勝ち上がってもらわないといけません。そうでないとまだ自民党に300議席近く取られてしまう可能性が残ります。私は小選挙区制廃止論者ですが、この制度では2番ではなく1番でないとだめなのです。

 

 そしてもう一点。

 

 立憲民主党の勢いに水を差す気は毛頭ありませんが(むしろ逆で押し上げたい)、今が一番立憲民主党がリベラルな時であるということを指摘しておきたいと思います。しかもそれだけでなく、立憲民主党が民進党よりだいぶリベラルに見えるのは、見せ方と言い方の違いで、政策上の違いは事実上ないということです。また野党共闘についても、前原民進党の際にどうにかこぎつけた市民連合を挟んだブリッジ共闘で止まっています。

 

 選挙が終わったら、私たち市民も立憲民主党もすぐ難題に直面します。仮に立憲民主党が躍進したとしても、せいぜい衆議院の9分の1程度の議席しか取れません。しばらく選挙はないわけですから、国会での戦いを考えると、必然的に無所属で勝ち上がってくる岡田さんや野田さんたち、そして希望の党からこぼれてくる旧民進党議員、民進党所属になっている参議院議員とどう力を合わせるか、ということを考えなくてはいけません。しかし、これを下手にやると単に(小さくなった)民進党再結成となります。でもやらないと、話にならないくらい野党は弱小で分断されていることになります。

 

 しかも分裂選挙を戦うことを余儀なくされた連合は民進党再結成を望む可能性が高く、地方議員にしても民進党所属のままでリベラル派も保守系も混在しています。組織の力学からすれば、他に誰も望まない民進党再結成に向かい、せっかくでてきたリベラル色があっという間に消えて、失望に終わることになりかねません。

 

 そうならないための一つの条件が、市民の働きかけです。立憲民主党がその政策的な内実がほぼ変わらないにもかかわらず民進党よりリベラルに見えているのは、市民との共闘に全面的に踏み込んだ語り口と見せ方のおかげです。選挙後の立憲民主党が市民参加型の組織をつくり、私たちとの対話のなかで成長していくのか、それとも第二民進党に堕落していくのかはここにかかっています。

 

 もう一つの条件が、共産党と社民党がこの選挙できちんと勝ち上がってくることです。もしこれら左派政党の勢力が弱まってしまうと、選挙後の政界再編や国会内での対決構図が右寄りにずれていく危険性が高まります。立憲民主党をリベラル左派の方向につなぎとめていくためには、共産党と社民党の存在が不可欠です。

 

 不完全に終わったとは言え、共産党の候補者取り下げの恩恵に預かり、市民参加型の選挙をこれまでにないほどまでに戦えている立憲民主党候補は、比例復活などと甘えずに小選挙区を勝ち上がってくる必要があります。そして比例区を中心に共産党と社民党(特に九州)をしっかり勝ち上がらせていかなくてはいけません。

 

 市民と立憲野党の共闘を次につなげるために。

 

 

「レイバーネット」より転載

 

 

選挙結果がどう出るのか、世論調査どおりになるのかどうか。

所謂護憲派がどの程度の議席を占めるのか。

安倍自民党の一強独裁をこのまま許し続けるのか。

様々な期待と不安を孕んだ総選挙投票日となった。

台風接近の中で、投票率がどの程度になるのかも気になるなぁ。

今日は、もしかしたらこの国の戦後史的転換点と将来の歴史書に書かれる日になるのかも知れない、2017年10月22日。