北朝鮮のミサイル発射で再びJアラートが早朝のテレビやスマホを独占した。
北朝鮮もいい加減にすれば良いのに、何としてもアメリカと対等平等の関係を作り出そうと威嚇を繰り返し、その度に日本のマスコミの狂想曲も騒々しさを加える。
同時刻、ソウルでは平常のテレビ放送が流されていたというから、日本のマスコミの入れ込み具合は半端じゃない。
菅官房長官は会見で「飛翔距離は約3700キロ、最高高度は約800キロと推定している」と述べているが、高度800キロは完全に宇宙空間で、日本の領空などではない。
「襟裳岬の東約2200キロメートルに落下したとみられる」と政府は発表したが、2200キロも離れているのに襟裳岬の東などという表現が許されるのか。
日本上空を通過した北朝鮮ミサイルの高度や飛距離
いずれにしろ、北朝鮮の脅威を最大限政治的に利用しようという意図が丸見えだ。
そして圧力一辺倒で北朝鮮が頭を下げると考えているとしたら、余りにも空想的だ。
窮鼠猫を噛む状態を作り出させないためにも、対話が求められていると思う。
アントニオ猪木が北朝鮮を訪問してきた。
この男、15年くらい前だったか、参議院本会議を傍聴した時、議場の最後部の柵のところでストレッチなんかしていて、たいした奴じゃないなと思った事があるが、今度の訪朝後の記者会見での発言は至極まともだ。
こういう観点がないと、北朝鮮問題は解決しないのではないかと思った。
「1つには、どちらが先かは別にして、拳をあげた、そうしたら北朝鮮が拳をそれより高くあげた。それより今度はアメリカが拳を高くあげた。そんな感じで、今、どちらが拳を高くあげられるかみたいな感じに、私には受け取れます。日本は唯一の被爆国として、広島、そして長崎ということで、本来はこの仲介役に立って、さっき言った拳を半分、少しでも下げるような、日本の独自の外交をやってもらいたいというのが私の思いです。」
「先日の朝日新聞でも五十数パーセントの方が「対話が大切だ」、「圧力」は四十数パーセントだという記事がありました。そういう中で、自民党の中にいろいろ対話をしたいという考え方を持つ人がいまして、そういう仲間が増えてきているということ。風が変わってきた。たぶん政治には表と裏がありますから、みなさんが願っていることは「戦争はとんでもない」。同時に風が今、ちょっと変わりつつある。日本はみんなで渡れば怖くないという言葉がありますが、1つの流れができると全部そっちに目が向いてしまう。そういう反省から言えば、第二次大戦もしかりだと思います。そういう流れの中で、今違う風を、ちょっと方向を変えてみる。そういう空気が醸成されていると思います。」
「ほかにもいろんな方お会いしましたが、本当に膝を突き合わせて握手をして、その感じっていうのは、本当に友好的であるかどうかっていうのはわかりますね。だから、「やあよく来ましたね」っていうので終わるんじゃなくて、そこからまた話が始まるんで、時間が長くなってしまったりすることもあります。」
「ただ相手の状況も見極めながら来訪をやっていかなければならない。決して北朝鮮に期待する片棒を担ぐという、すぐそういう言い方をする人もいるかと思いますが、相手がなにを考えているかを聞くことも一番大事なんです。」
9月13日外国人特派員協会での記者会見から。