共謀罪が衆院委員会で「強行採決」の暴挙! 安倍首相は加計学園問題の追及恐れ“逃亡”の無責任 | 函南発「原発なくそう ミツバチの会」 ノブクンのつぶやき

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共謀罪が衆院委員会で「強行採決」の暴挙! 安倍首相は加計学園問題の追及恐れ逃亡の無責任の画像1
自由民主党HPより


 怒号が響くなか、ついに与党が共謀罪を衆院法務委員会で「強行採決」した。採決の荒っぽさは安倍政権のお決まりとなっているが、きょうもかなりひどいものだった。

 

 最後の質疑に立った維新の会・丸山穂高議員(ちなみに法務委員ではない)が「もう30時間も審議した!」「これ以上は意味はない!」と暴言を叫び、4月21日に法務委で民進党の反発に「テロ行為だ!」というヤジを飛ばした自民党の土屋正忠・法務委理事がすかさず採決を求める動議を出し、騒然としたなかで公明党の國重徹議員が附帯決議を読み上げ、委員長が何を言っているのかわからないまま、あれよあれよと可決されてしまったのだ。

 

 しかも、これほどの重要法案の採決にもかかわらず、NHKの中継はなし。さらに、安倍首相は本来、質疑に出席する予定だったにもかかわらず“敵前逃亡”したのである。

 

 逃げた理由は明白で、安倍首相は加計学園問題の追及を恐れたのだ。周知の通り、加計学園傘下である岡山理科大学の獣医学部新設に伴い、「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っていること」という文言が文科省の資料に明記されていたことが発覚したが、当初、安倍官邸は「出所不明」「捏造文書」などと言い切って逃げ切るつもりだった。

 

 しかし、昨日の朝日新聞が続報で、文書には打ち合わせ日時や対応した人名などが具体的に書かれていること、さらには文書内に登場する日本獣医師会顧問の北村直人氏が「文書に書かれていることは事実だ」と証言したことなどから、「文書は本物」と認めざるを得ない状況に追い込まれている。安倍首相はさっさと国民に説明を行うべきだが、そうした責任を放棄してきょうの法務委から逃げ出したのだ。

 

 いや、加計学園問題だけではない。安倍首相は共謀罪の今国会成立の先頭に立ってきた責任者である。それを自分の疑惑説明から逃れるために放り出すとは、まさしくダブルで無責任の極みだろう。

 

 このように重要法案の採決に首相が出席しない状況で、与党が勝手に決めた「衆院採決の目安」である審議30時間に達したという滅茶苦茶な理屈で、共謀罪は強行採決されてしまったのだ。

 

質疑でなぜか民進党批判…維新は自民党の「分隊」だ

 

 だが、肝心の30時間の“中身”は、法案責任者である金田法相の要領を得ない答弁を筆頭にグダグダの連続で、追及を受ければ受けるほど法案のボロが露わになる体たらく。もはや審議のスタートラインにさえ立てていないのが現状だ。

 

 また、与党は維新の会が法案の修正に合意し賛成に回ったことから「強行ではない」「野党も賛成している」と主張するのだろうが、これはとんだ茶番だ。維新の要求である「取り調べの可視化」は「検討する」としただけで「付則」扱い。だいたい、任意捜査は録音・録画などの取り調べの可視化の対象外であって、一方、法務省の林真琴刑事局長は「準備行為が行われる前でも任意捜査は許される」と答弁している。付則の意味などまったくないのだ。

 

 こんな無意味な修正で合意して「強行採決じゃない」という与党の主張に加担する維新。前述した維新の丸山議員は質疑で民進党批判を繰り返す始末で、維新はたんなる自民党の「分隊」でしかないのだ。

 そもそも、共謀罪の問題点は挙げ出せばキリがない。まず、安倍首相は「共謀罪がなければ東京五輪は開催できない」と言い、国際組織犯罪防止条約(TOC条約)の締結のためには共謀罪が必要だと述べてきたが、すでに多くの識者が指摘している通り、共謀罪を成立させなくてもTOC条約は締結できる。安倍首相は国民をまやかすためにホラを吹いたのである。

 

 しかも、この法案はまったく「テロ対策」などではない。現に、地下鉄サリン事件などのオウム事件を東京地検公安部で担当した弁護士の落合洋司氏は、「「共謀罪があれば事件は防げたのに」というようなおめでたい意見は、捜査現場では全く聞かれませんでした」と述べている(朝日新聞5月18日付)。「殺人予備罪や爆発物取締罰則、銃刀法といった既存の刑罰法令を活用することによって十分取り締まれたから」だ。そして日本はすでに、世界的に見てもテロに対応する広い処罰範囲を設けている。共謀罪はテロ対策だというのなら、単独犯や単発犯を除外していることがおかしいのだ。

 

 そして最大の問題は、「一般人が捜査対象になる」ということだ。安倍首相や金田法相は否定するが、盛山正仁法務副大臣は「一般人も捜査対象」と認識を示している。だいたい、金田法相は「弁当とビールを持っていれば花見、地図と双眼鏡なら犯罪の下見」などと言っている。当然、そんなもので判断できるわけがなく、準備行為か否かは結局「心のなか」で判断され、いくらでも恣意的に運用できるということを意味している。

 

 事実、共謀罪の取りまとめ役となっている自民党法務部会長である古川俊治参院議員は、沖縄の基地反対運動や、原発のような国策を推進する企業に対してSNS上で集団で批判を書き込むといった行為が共謀罪に適用されることを「あり得ること」と明言しているのだ。

 

共謀罪は「一般人も捜査対象」ではなく「一般人こそ捜査対象」だ

 

 まだまだあるが、こうした問題についてまったく納得できる答弁もなされずに、むしろ疑問や矛盾が雪だるま式に膨らみつづけている。そんなシロモノが、審議もそこそこに強行採決されてしまったのである。

 絶対に忘れてはいけないのは、治安維持法のことだ。治安維持法は今回の共謀罪と同じように「一般人には関係ない」として運用されたが、実際は政府や戦争を批判した一般の人びとが次々に検挙され、市民への監視はどんどんと強化されていったではないか。

 

 共謀罪とはすなわち、国民全員がターゲットとなる法案であり、国民の自由を奪い、国民監視社会をつくるものだ。そして、早晩「権力に刃向かうことは犯罪」という社会の空気が生まれるだろう。

 

 与党は来週23日にも衆院本会議を通過させる気でいるが、国民の内心に踏み込む共謀罪は、絶対に廃案に追い込まなくてはならない。

 

「リテラ」より転載

 

 

ろくな審議もせずに一方的に採決するという構図が、この国の政治的日常風景になってしまった。

さあ、「共謀罪」。来週どういう展開になるのか。

このまま行けば参議院に送られて、そこでも強行採決という図式なんだろう。

あきらめにも似た気持ちになるが、なあに、正義は必ず勝利するとか勝者必滅とか精神論的な境地になってきた。

圧倒的多数派は無関心層だと痛感するばかりだった「共謀罪」。

個々人のくらしに訴える内容を野党・市民連合サイドが作りきれないジレンマがある。

今日は平和行進。

静岡県入りして函南町から三島までデモしてくるが、「平和憲法守れ」「共謀罪反対」と訴えて歩くことにしよう。

 

 

2017年5月19日
 共謀罪法案に反対する法律家団体連絡会
  社会文化法律センター 代表理事 宮里邦雄
  自由法曹団      団長 荒井新二
  青年法律家協会弁護士学者合同部会 議長 原和良
  日本国際法律家協会  会長 大熊政一
  日本反核法律家協会  会長 佐々木猛也
  日本民主法律家協会  理事長 森英樹
  日本労働弁護団    会長  徳住堅治
  明日の自由を守る若手弁護士の会
             共同代表 神保大地・黒澤いつき


本日,衆院法務委員会において、共謀罪(「テロ等準備罪」)法案を含む組織犯罪処罰法改正案の採決が強行された。来週にも本会議への上程を計画していると伝えられる。私たちは,この暴挙に対し,満腔の怒りをもって強く抗議する。

 

そもそも、刑法は、どの行為が犯罪とされるかを定めているが、裏返せば、犯罪とされずに自由に行動できる範囲を定めているといえる。犯罪とは人の生命や身体自由名誉財産に被害を及ぼす行為と説明され、法益の侵害又はその現実の危険性が生じて初めて事後的に国家権力が発動されるというシステムは,我々の社会の自由を守るための制度の根幹である。

 

約300もの多くの犯罪について共謀の段階から処罰できることとする共謀罪法案は、既遂処罰を基本としてきた我が国の刑法体系を覆し、人々の自由な行動を制限し、国家が市民社会に介入する際の境界線を、大きく引き下げるものである。

 

私たちは沖縄ですでに弾圧の道具に使われている威力業務妨害罪の共謀罪が法案化されていることに警鐘を鳴らしたい。1999年に制定された組織犯罪処罰法によって、組織的威力業務妨害罪、組織的強要罪、組織的信用毀損罪が作られ、法定刑が長期3年から5年に引き上げられ、廃案となった2003年法案で共謀罪の対象犯罪とされた。これらの犯罪は、もともと構成要件があいまいで、労働運動などの弾圧法規として使われてきた問題のある犯罪である。この共謀罪はひとつだけでも治安維持法に匹敵する著しい危険性を持っている。自民党の2007年小委員会案では、これらの犯罪は共謀罪の対象から外されていたのに、これを何が何でも共謀罪の対象としようとしている安倍政権には、市民の異議申し立て活動に対する一網打尽的弾圧の意図を疑わざるを得ない。

 

「組織犯罪集団」の関与と「準備行為」を要件としても、法案の適用範囲を厳しく限定したものとは評価できない。首相は、一般人は処罰の対象にならないと説明しているが、同法案では、原発反対運動や基地建設反対運動などに適用され得る組織的威力業務妨害罪や、楽譜のコピー(著作権法違反)や節税(所得税法違反)など市民が普通の生活の中で行う行為が犯罪に問われかねないものも,対象犯罪に含まれている。

 

そもそも、同法案には一般人を対象としないなどという文言はなく、「計画」と「準備行為」があれば、条文解釈上、誰でもが処罰対象となり得る規定となっている。現在の審議状況では、到底、私たち市民が納得できるだけの充分な説明が尽くされたとは言えない。警察は今でも,市民運動に関わる人の情報を収集したり,イスラム教徒だというだけで調査の対象とするなどの違法なプライバシー侵害を繰り返しているが,共謀罪が制定されれば、今以上に,市民の行動や,人と人との会話、目配せ、メール、LINEなど、人の合意のためのコミュニケーションそのものが広く監視対象とされる可能性が高い。

 

政府は,共謀罪の制定が国連越境組織犯罪防止条約(TOC条約)の批准のために不可欠であるかのように主張するが,諸外国の例を踏まえれば、このような広範な共謀罪法案を成立させることなく国連条約を批准しても、国際的な問題は全く起きるものではない。また,この条約の目的はマフィアなどの経済的な組織犯罪集団対策であり、テロ対策ではない。日本は、国連の13主要テロ対策条約についてその批准と国内法化を完了している。法案には「テロリズム集団その他の組織犯罪集団」という言葉は入れられたものの、テロリズムの定義もなく、法の適用範囲を限定する意味はない。

 

共謀罪法案をめぐる衆議院法務委員会の審議・運営は,政府が野党議員の質問にまともに答える姿勢を放棄して「一般市民は捜査の対象にもならない」など根拠のない答弁を機械的に繰り返したり,野党議員が大臣に答弁を求めたにもかかわらず政府職員が勝手に答弁するなど,異常かつ非民主的という他ないものであった。5月17日,野党議員が金田法務大臣の解任決議案を提出したことは,道理にかなったものである。こうした異常な審議の挙句,いまだ審議すべき重要問題が多数積み残されたまま,本日,採決が強行されたことは,暴挙といわざるを得ない。

 

5月16日報道された朝日新聞の世論調査では、共謀罪法案を今国会で成立させる必要はないという意見は64%に達し、必要とする意見18%を大きく上回った。共謀罪法案反対の世論は急速に広がっており,国民の多数は、この間の審議を通じて浮かび上がってきた法案の多くの問題点について,審議を深めることを願っている。私たち共謀罪法案に反対する法律家団体連絡会は、我が国の人権保障と民主主義の未来に大きな禍根を残す共謀罪法案の成立を阻止するため、引き続き全力を尽くす決意である。
以上

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以上の声明の「超訳ver.」が発表されている。「明日の自由を守る若手弁護士の会」の文責になるもの。これも、ご紹介しておきたい。

 

今日、衆議院の委員会で、共謀罪をつくる法律案が無理やり通されました。来週にも、衆議院の本会議にかけられる計画だと報じられています。私たちは、心のどん底から怒ってるので抗議のシャウトをします。

 

刑法という法律は、どういうことをすれば犯罪になるか、どういう行為は自由にしていいのかを決めています。人の命や身体、財産などを傷つけたり、傷つける危険性があってはじめて、国家権力が動く、というシステムになっています。そうでないと、私たち自由に行動できないからです。共謀罪の法案は、約300もの犯罪について、話し合っただけのときから刑罰をあたえることができるとしています。

 

この法案は、命などの危険があってはじめて罰されるというシステムをひっくり返し、私たちが自由に行動できないようにし、国家が市民の行動に簡単に口を出せるようにするものです。沖縄では、「威力業務妨害罪」という犯罪がすでに、市民の行動を取り締まるための『名目』に使われてしまっています。

 

今回の法案では、その「威力業務妨害罪」も話し合えば共謀罪になるとされているので、めちゃくちゃ危険です。「組織的威力業務妨害罪」という犯罪は、もともと「何をすれば犯罪になるのか」があいまいで、労働組合の活動などをつぶすために使われてきたので、大問題です。これひとつとっても、戦前の治安維持法と同じレベルでキケンな法律なのです。自民党は、2007年の党内の議論では「組織的威力業務妨害罪」などは共謀罪に入れていなかったのに、安倍政権は、なにがなんでも話し合っただけで犯罪にしようとしています。「物言う市民」を手当たり次第に取り締まるつもりだとしか思えません。

 

首相は、イッパンジンは処罰されないと言っています。でも、「組織的威力業務妨害罪」は、原発反対や米軍基地反対の活動に使われかねません。楽譜のコピーは著作権法違反になりますし、節税も所得税法違反と疑われかねません。こういった行為は、市民が普通にやっていることなのに、話し合っただけで犯罪になりえるのです。だいたい、「イッパンジンは処罰されない」なんて、法案のどこにも書いてありません。「計画」して「準備行為」があったとされれば、誰でも処罰される可能性があるのです。全然納得できません。

 

警察は今でも、犯罪をしていない人の個人情報を集めたり、イスラム教徒だというだけで尾行したりして、プライバシーを侵害しています。共謀罪ができれば、今以上に、私たちの行動や会話、目線、メール、LINEなど、コミュニケーションそのものが監視されるおそれがあります。政府は、「共謀罪を制定しないとTOC条約を批准できない」と言っていますが、諸外国を見てみても、こんな広範な共謀罪法案を作らずに条約を批准しても、問題ありません。

 

そもそもTOC条約はマフィア対策のもので、テロ対策ではありません。日本はすでに国連の13個のテロ対策条約を批准しているし国内にもバッチリ適用できています。共謀罪法案にはとってつけたように「テロリズム集団その他の組織犯罪集団」って言葉は入っていますが、テロリズムの定義もなく、あたかも「テロ対策」っぼく見せるためだけのものです。

 

衆議院法務委員会では、政府は野党議員の質問にまっっったくまともに答えず、「一般市民は捜査の対象にならない」と根拠レスな答弁をただただ繰り返したり、野党議員が大臣の答弁を求めているのに政府の職員が勝手に答弁したり、異常としか言いようがなく、民主主義を踏みにじるものでした。5月17日に野党議員が金田法務大臣の解任決議案を提出したのは、当たり前すぎるほど当たり前のことです。こんなめちゃくちゃな審議のあげく、まだまだ審議しなければならない問題は山ほどあるのに、今日、強行採決されたことは、「暴挙」以外の何者でもありません。

 

5月16日に報じられた朝日新聞の世論調査では、「共謀罪法案を今国会で成立させる必要はない」という声は64%に達し、「必要」という声(18%)を大きく上回りました。共謀罪法案に反対する声は猛烈なスピードで広がっていて、多くの国民が、衆議院での審議を通じて浮かび上がってきたこの法案の「ヤバさ」について、もっと審議してよと願っています。私たち共謀罪法案に反対する法律家団体連絡会は、日本の人権保障と民主主義の未来を大きくゆがめるであろう共謀罪法案の成立を食い止めるため、これからも全力を尽くします。
以上

 

 

弁護士「澤藤統一郎の憲法日記」より転載