福島汚染土
仮置き依然1000ha 営農再開の足かせ
東京電力福島第1原発事故による福島県内11市町村の避難指示区域(解除済みを含む)に、除染作業に伴う汚染土などの仮置き場が、東京ドーム213個分に相当する約1000ヘクタールあることが環境省への取材で分かった。
汚染土の搬出先となる中間貯蔵施設の整備の遅れが背景にある。9割強が田畑で、各自治体は基幹産業である農業の復興に取り組むものの農地が奪われた格好となっており、農家からは風評被害などを懸念する声が上がる。
環境省によると、避難指示区域には約280カ所の仮置き場があり、敷地は同省が農家などから有償で借りている。汚染された土や草木などを入れた「フレコンバッグ」と呼ばれる黒い袋(1立方メートル)が700万袋以上山積みされている。
中間貯蔵施設は、福島第1原発を囲む形で、同県双葉、大熊両町の避難指示区域(帰還困難区域)の約1600ヘクタールに建設される。県内各地の仮置き場から運び込み、最長30年間保管し、県外で最終処分する計画だ。
本体工事は当初2014年7月に着工を目指したが、地元との交渉や用地取得が遅れた。20年度末までに最大で建設用地の7割を取得する目標を掲げるものの、10月末現在の取得面積は約170ヘクタールで予定地の1割。同省は汚染土などの発生量を福島全域で最大2200万立方メートルと推計するが、20年度末までに搬入できるのは最大でも1250万立方メートルにとどまる見通しだ。
6月に大半で避難指示が解除された葛尾村は、農業の再生を重要施策に掲げるが、原発事故前の10年は約270戸の農家が計約130ヘクタールの田んぼでコメを栽培していたものの、現状は11戸の約6ヘクタール。村内の田んぼ約220ヘクタールのうち3割近くが仮置き場になっている。
同村の白岩寿喜さん(70)は先月、黒い袋が山積みになった仮置き場と隣り合わせの田んぼで稲刈りした。コメの価格は原発事故前に戻っておらず風評被害の長期化が悩みで「仮置き場がなくならないと、農家も意欲を失い、担い手不足になる」と嘆く。【土江洋範】
「毎日新聞」より転載
このフレコンバックって、経年劣化で破れたりしていると言うから、高濃度に汚染された土が風で舞ったり、雨で流れたりすることもあるんだろう。
いくら何でも、こういう所のお米を食べたいとは思わない。
我が家は伊豆市内在住の山仲間が自宅の田んぼで作っているお米を玄米で購入して、自宅で精米することにしている。産地が明確だから安心感が強い。
原発を再稼働すれば、計算上わずか6年で、全ての原発の使用済み核燃料の貯蔵プールは満杯となりあふれ出すという。
最終処分場も先行きが見えず、汚染土も放置が続き、要するに原発と人類、否全ての生き物は共存できないのだ。
そんなものの60年稼働への延命策が次々に認められる。
最早狂気そのものだ。