逮捕は最悪のタイミング!!/個人の命より日米関係しか頭にない安倍政権の反国民性 | 函南発「原発なくそう ミツバチの会」 ノブクンのつぶやき

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YouTube「ANNnewsCH」より


 4月28日から行方が分からなくなっていた沖縄県うるま市の島袋里奈さん(20)が昨日5月19日、遺体で発見された。沖縄県警は、元米軍海兵隊で現在米軍属のシンザト・ケネフ・フランクリン容疑者(32)を死体遺棄の疑いで逮捕。シンザト容疑者は島袋さんの殺害を示唆する供述をしているという。

 

 これを受け、新聞各社は本日20日付の朝刊で一斉に報じている。しかし、この逮捕前の2日間、事件をめぐる、“本土”マスコミの動きは、不可解極まりないものだった。

 

 その“本土”マスコミの問題を指摘する前に、まず第一報の経緯をおさらいしよう。そもそも、逮捕された男が島袋さんの失踪に関与している疑いを最初に報じたのは、沖縄地元紙の「琉球新報」だった。「琉球新報」は18日朝刊で、沖縄県警が男を重要参考人として任意の事情聴取していることをスクープしたのである。

 

 沖縄の警察当局は通常、米軍が絡む事件には異常に神経を使い、慎重に慎重を期して捜査を進める。これまで事情聴取段階で情報が漏れることなどあり得なかった。

 

 ところが、琉球新報の記事には「捜査関係者」の情報であることが明記されており、明らかに捜査していた沖縄県警から情報が流れていた。これはなぜか。

 

「沖縄県警はすでに、事情聴取段階で相当な証拠を固めていた。ところが、県警内部で、捜査に圧力がかかっていたようなんです。安倍官邸の意向を忖度した県警上層部が『オバマ大統領の訪日前でタイミングが悪すぎる』と、言いだしていた。それで、このままだと、捜査を潰されてしまう、と危惧した現場の捜査関係者が琉球新報にリークしたということらしい。つまり、新聞に報道をさせて、既成事実化して、一気に逮捕に持って行こう、と」(在沖縄メディア記者)

 

 実際、この琉球新報のスクープは「沖縄タイムス」も後追い。沖縄では一気に報道が広がっていった。

 

 ところが、である、“本土”の新聞・テレビはこの沖縄での大きな動きがあってもなかなか動こうとしなかったのだ。

 

 実は、「琉球新報」の報道の後、全国紙やテレビ局も18日の昼までには、沖縄県警に当たって、この事情聴取情報を確認していた。しかし、新聞は夕刊では報道せず、テレビも午後の段階ではまだ一部のニュースが「米軍関係者が関与していた可能性」をほのめかしただけだった。

 

「万が一、参考人聴取だけで終わったら、安倍官邸、安倍応援団からどんな嫌がらせをされるかわからない、そのことを恐れたんでしょう。どの社も上からストップがかかったようです」(全国紙社会部記者)

 

 その後、18日夜になって、逮捕が確定的になったため、ようやく全国紙、テレビ局も19日から一斉に「米軍関係者が事情聴取」「米軍属の男が捜査線上に」と報道し始める。

 

 しかし、驚いたことに、それでも頑として米軍関係者の存在に一切触れなかった新聞社がある。読売新聞と日経新聞(全国版)だ。

 

 とくに異常だったのが、国内最大の発行部数を誇る読売新聞で、19日付朝刊に「沖縄で20歳女性行方不明」というごく小さい見出しで「何らかの事件に巻き込まれたとして、公開捜査を進めている」と書いただけ。「米軍」のべの字も書いていなかった。

 

 他紙が“軍属の男を事情聴取”と報じるとともに、島袋さんの自宅近くで携帯電話の位置情報が最後に確認されており、県警が周辺の通行車両の記録などを調べたところ軍属の男が浮上したなどと、関与の疑惑のディティールまで報じていたにもかかわらず、である。

 

 しかも、不可解だったのは、読売新聞がこの事件そのものをこれまで全く報じてこなかったことだ。事件が公開捜査になったのは実に12日のことだ。ところが、読売はこの間、一切事件に触れず、それから一週間経って、他紙が「事情聴取」を書いた19日に、なぜか「公開捜査」を小さいニュースにしたのである。

 

 そして、日経新聞がようやく米軍関係者の関与を書いた19日夕刊でも、読売は一切書いていない。これが本当に新聞というメディアなのだろうか。そんなことを感じるくらいの異常さである。

 

「この不可解な動きの背景にはもちろん、読売の上層部の強い意向が働いていると見るべきでしょう。もともと読売は、政権よりではありましたが、以前はまだ多少のバランス感覚もあった。しかし、今は完全に官邸の方向しか向いていない。政治部の記事だけでなく、社会部や経済部の記事にまで、安倍政権の意向に沿うように徹底的に検閲をかえている。そのスタンスは産経新聞より極端です。一週間前の公開捜査を報じた19日付の不可解な記事も、実際は『事情聴取』と打っていたのが、上層部から圧力が加わり、差し替えになったからじゃないか、という話まで流れています」(読売新聞関係者)

 

 今回の事件は、政府にとって“最悪のタイミング”で起きたものだった。安倍政権から見れば、これまで米兵による犯罪が繰り返されてきた沖縄ではただでさえ基地問題をめぐって選挙で苦戦を強いられている。普天間基地の辺野古移設については先日、国と県が和解案を了承したとはいえ、安倍政権は6月5日の沖縄県議会選挙、そして夏の参院選を乗り切り次第、機を見て新基地建設再開を強行する構えを崩していない。今回の事件を受けて、集中する米軍基地に対する怒り、そして、沖縄に基地を押し付けている政府への憤りが高まることは確実だった。

 

 さらに、この基地反対運動にくわえ、今月27日には「これで衆参同日選の可能性が飛躍的に高まった」(政界関係者)という米オバマ大統領の原爆被爆地・広島訪問が控えている。安倍政権は、この現職米大統領としては初となる被爆地訪問を、日米関係の強化、平和アピールの絶好の場と捉えているが、しかし、今回の事件が米軍属による殺人事件だとすれば、沖縄だけでなく全国でも大きな反発が起こり、オバマ大統領の広島訪問にも影を落とすことは必至だ。

 

 そのため、安倍政権は今回の事件が勃発したときから火消しに躍起になっていたのだ。

 

 そして、その安倍政権の意向を最も忠実に実行しようとしたのが読売新聞だったというわけである。あの産経までもが軍属の男の事情聴取を報じたことを考えれば、読売の安倍政権の忖度ぶりは度を超えている。沈黙によって政権に恭順の意を示して“沖縄イジメ”に加担するその様は、もはや報道機関と呼ぶに値しない。ただの“安倍サマ広報紙”だ。

 

 だが、読売ほどではなくとも、おそらく米軍が関与するむごたらしい事件が何度再発しても、“本土”のマスコミは日米地位協定の見直しや米兵への教育強化などをしたり顔で論評するだけだろう。あるいは「週刊新潮」など一部の保守メディアによって、被害者の落ち度をあげつらうバッシング報道も行われるかもしれない。だが、それらはすべて欺瞞だ。事件の本質は、沖縄に集中する米軍基地の存在、そのものだからだ。

 

 そもそも、米軍、いや、すべての軍隊の性格や本質上、“暴力”を根絶することなど不可能だ。解決策はただひとつ、米軍の撤退。それ以外に、根源的防止策などあるはずがない。

 

 戦争は、最初に女性や子どもが犠牲になる。そして、沖縄は軍隊基地が溢れ、日々“暴力的”訓練を受けている兵士が歩き回る“戦地”だ。今回のような悲惨な事件が二度と起こらぬよう「基地はいらない。軍隊もいらない。戦争もいらない」と訴え続けたい。
野尻民夫

 

「リテラ」より転載

 

 

昨夕のTBSテレビのニュースは「政権内部で最悪のタイミングの逮捕だ」という声が出ていると報じた。

この政権は何なんだ。

希望に溢れた20歳の女性が通り魔そのものの元米海兵隊員にナイフで刺されて殺されたのに、あたかも逮捕が問題であるかの如き発言は、最早人間の発言とも思えない。

「リテラ」の記事を読むと、沖縄県警内部での確執が良くわかる。現場の警察官の中に正義感を持った人間がいたのだろう。

もしかしたら揉み潰されていたかも知れないのだから。

 

その「琉球新報」は社説で、「米軍は米兵らが凶悪事件を起こすたびに再発防止に努めるとする。だが、守られたためしがないことは今回の事件が証明する。
基地ある限り、犠牲者が今後も出る恐れは否定できない。基地撤去こそが最も有効な再発防止策である。日米両政府はそのことを深く認識し、行動に移すべきだ。」

「容疑者は軍人ではないが、嘉手納基地で働く元海兵隊員の軍属である。米軍には軍属も教育する責任が当然ある。だが事件がなくならないことからして、米軍の教育には限界があることが分かる。ならば、選択肢は一つしかない。沖縄から去ることだ。」

と書いた。

 

「しんぶん赤旗」にこの間の一連の凶悪犯罪が載っていた。

 

■沖縄での米兵・米軍属による主な凶悪犯罪
1955・9・3 「由美子ちゃん事件」
72・9・20 キャンプ・ハンセンで米兵が日本人従業員を射殺
73・4・12 ブルービーチで演習中の戦車が女性をひき殺す
83・2・23 キャンプ・ハンセン内で米兵が日本人タクシー運転手を  刺殺
85・1・15 海兵隊員が金武町の民家に侵入し男性を刺殺
95・5・10 海兵隊員が宜野湾市の住宅で女性を殴り殺害
9・4 海兵隊員3人が買い物帰りの少女を拉致し暴行
2000・7・3 海兵隊員が民家に侵入。就寝中の女子中学生にわいせつ行為
01・1・9 海兵隊員が女子高校生に強制わいせつ
  6・29 北谷町で在沖米空軍隊員が婦女暴行
03・5・25 海兵隊員が金武町で女性の顔を殴り暴行
04・8・22 軍属が北谷町の民家に侵入し女性を暴行
05・7・3   在沖米空軍隊員が沖縄市で小学生に強制わいせつ
07・10・1 米兵親族が沖縄市内で女性従業員の顔をビール瓶で殴り性的暴行致傷
08・2・10 海兵隊員が北谷町で女子中学生を暴行
  10・8・4   海兵隊員が民家に侵入し強制わいせつ致傷
12・8・18 海兵隊員が那覇市で強制わいせつ致傷
   10・16 沖縄県中部で海軍兵2人が帰宅途中の女性に性的暴行
  15・7・30 海兵隊員が北谷町のスーパー駐車場で女性の顔面を数回殴り負傷させる
  16・3・13 米海軍1等水兵が那覇市内のビジネスホテルで女性を暴行

 

 

1995年9月4日の米兵3人による女子小学生拉致暴行事件に対する抗議行動に参加したが、あの時沖縄全土を覆い尽くした怒りは今も消えることはない。

もとより日本の防衛には何の役にも立たず、その意思もない米軍は沖縄から去ることだ。

そして日本政府はそのことを敢然と米国に要求しなければ、この国の政府とは言えないだろう。