こういう話が溢れる世界が良いな/イラク人女性が大阪の小学生と交流~教育こそ平和の礎 | 函南発「原発なくそう ミツバチの会」 ノブクンのつぶやき

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昨年11月下旬、来日したイラク人女性でアッシリア系キリスト教徒のシーラン・シェルさん(41)は、日本のNPO「IVY」(本部・山形市)の現地スタッフだ。過激派組織「イスラム国」(IS)によって町や村を追われたイラクの国内避難民、そしてシリアからの難民への支援を続けている。【玉本英子】


児童と給食をともにするシーランさん。幼い頃、戦争で食べ物がなく、家族8人で一切れのパンを分けた経験を伝えた(東大阪市の意岐部東小で2015年12月上旬 合田創さん撮影)


先月、来日したイラク人女性でアッシリア系キリスト教徒のシーラン・シェルさん(41)は、日本のNPO「IVY」(本部・山形市)の現地スタッフだ。過激派組織「イスラム国」(IS)によって町や村を追われたイラクの国内避難民、そしてシリアからの難民への支援を続けている。


彼女が暮らすイラク北部クルド自治区アルビルには、昨年、ISの襲撃から逃れてきた避難民が急増、その数は数十万人にのぼった。カバンに身の回り品を詰め込み、徒歩で何十キロも歩いて自治区まで逃れてきた家族、顔をゆがませながら子どもを抱え、検問所に並ぶ親子。その列は何キロにもおよんだ。その光景を見たシーランさんは思った。「これは大変なことになる」


 

ISは、制圧した地域で他宗派や異教徒を徹底的に迫害した。キリスト教徒には追放令が出され、家や土地はすべて没収された。かつて100万人以上いたイラクのキリスト教徒は、戦乱で国外脱出が相次ぎ、20万人前後に減ったといわれる。


国連や各国の団体が救援活動を続けるが、避難民の数が多すぎて十分な支援が行き届いていない。シーランさんの団体は、キャンプ外の地区にいる避難民の子どもを支援することにした。多くは学校へ行ってはいなかったからだ。彼女は教育当局者に何度もかけあい、今年10月末、避難民の居住地区に小学校を開校させた。プレハブ校舎は日本の政府と市民からの寄付で建てられ、避難民の子ども600人が学校へ通えることになった。


シーランさんが支援を続ける子どもの一人、キリスト教徒のサンディちゃん(小5)は、昨年8月、暮らしていた町にISが迫り、家族でアルビルに脱出した。教会は破壊され、十字架も引き倒された。「元の家に戻れないのは悲しい。でも新しい学校で友達をつくりたい」。彼女の夢は医師になって多くの人を助けることだ。

着物を着て、京都の町を散策したイラク人女性シーランさん。「美しく、平和な日本がうらやましい」と何度も話していた(2015年11月下旬 玉本英子撮影)


大阪を訪れたシーランさんは、東大阪市の意岐部東小学校6年生と交流授業を行なった。児童らにスライドを見せながら、自身もイラン・イラク戦争で避難民となった経験を語り、戦争の悲惨さについて話した。シーランさんは元学校教師だ。「教育は、食べ物や水と同じように人にとって大切。教育を受ける機会がなかった若者たちが、まず過激派組織に引き込まれていきました」


 児童からは、いくつもの質問がシーランさんに向けられた。「なぜ、戦争をとめられないの?」「危険なのになぜ逃げないの?」。言葉に詰まりながらも彼女は答えた。「戦争は一度始まると止められない。困っている人がいれば、誰かが助けの手をさしのべなければ」

児童が日課として教室の清掃をしていたことに驚いた。「日本人が学校やものを大切にする心は、こういうところから生まれるのですね」

京都では和服を借りて、清水寺を歩いた。「日本では当たり前のような平和も、戦争が続くイラクから見ると、うらやましい。どうか平和を壊さないで」。シーランさんはそう話した。【玉本英子】
 

「アジアプレスネットワーク」より転載



こういう話がもっともっと増えれば良いのにと思うけど、現実はいがみあい憎しみあいそして実力行使とばかりに戦闘行為が始まる。
動物の世界でも我縄張りを争って諍いが起こるが、致命的怪我を負う前に決着をつける知恵を多くの動物は持っている。
なんで人間だけが、命を奪うような戦闘行為を平然と続けていけるのだろうか。
そうした殺し合いの歴史の教訓から産まれた国連憲章や日本国憲法が軍靴によって踏みにじられる現実を人類は容認できるのか。

北朝鮮の金正恩は米軍のB52が韓国上空に進出してきたことに対して、、「敵が我々の自主権を侵害し、威嚇的な挑発をするなら、党中央の命令により任意の時間に任意の場所で米国を頭目とする帝国主義勢力に核攻撃を加えられるように核武装力を質・量的に強化しなければならない」などと発言したようだが、北朝鮮も北朝鮮ならアメリカもアメリカという所だろう。
軍事的対決で何が解決できるのか。

オバマがその気になれば、北朝鮮は一瞬のうちにこの世界から消えてしまうというリアリティが必要だ。
もっともその時は日本も生き残れるか不明だけど。
歴史から学ばない愚かな指導者たちが再びこの世界を戦争に巻き込もうとしている。

「どうか平和を壊さないで」というイラク人女性の言葉をかみしめたい。