育鵬社教科書を不採択 名古屋市教委 侵略美化 市民がノー/子どもたちを守ろう | 函南発「原発なくそう ミツバチの会」 ノブクンのつぶやき

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(写真)教育委員会の前で「育鵬社採択をやめて」と訴える新婦人のメンバー=29日、名古屋市

 来年4月から中学校で使用される歴史・公民教科書を決める名古屋市教育委員会の臨時会が29日、市役所庁舎内で開かれ、委員による無記名投票の結果、侵略戦争美化の育鵬社・自由社の教科書が不採択となりました。



河村たかし市長が日本軍「慰安婦」や南京大虐殺の存在を否定する発言をしている中、市民の運動で押しとどめた成果です。

 教科書展示会で中学校教科書に寄せられた市民の意見は1664通。前回と比べ5倍弱。審議の中で市教委事務局は「侵略戦争を美化し戦争を肯定する教科書はふさわしくないとの声が86%を占めた」とのべました。

 複数の委員が「南京大虐殺の表現を避けたものが望ましい」「天皇が千数百年続いたことが他国にない特色」などの持論を展開。

 別の委員は「歴史は事実を忠実に書くべきだ」とし、“アジア解放のための自存・自衛の戦争だった”とする「大東亜戦争」の記述が「国民を欺いた」と批判しました。

 服部はつ代委員長は意見が割れたことを理由に無記名投票を提案。1回目の採決で教育出版3、育鵬社2、東京書籍1。上位2社による決選投票で教育出版が採択されました。

 公民は1回の投票で東京書籍4、日本文教出版2でした。投票による教科書採択は名古屋市教委では初めて。

 服部委員長は、教科書展示会で8割超が侵略美化教科書の不採択を求めていたことについては「多様な意見の一つとしての参考」としました。

 傍聴席40に78人の希望者が殺到。小3の子を連れ審議を聞いていた女性(42)は「育鵬社に2票も入りびっくりしたが、多くの市民が反対の声をあげていることがわかりよかった」と笑顔で語りました。

 名古屋市内の40代社会科教師は「戦争美化する教科書を授業で使うことになれば、お国のためという軍国主義のあやまった教育を繰り返しかねず、今回の結果はホッとした」と話していました。


「しんぶん赤旗」より転載


我が家も伊豆半島北部地域で採択地域となっている三島・函南・伊豆の国・伊豆市の田方地域での閲覧場所(ナント!2カ所しかなかった)のひとつ、三島市内の中学校に教科書を見に行った。
育鵬社・自由社の社会科の教科書を読んでみたが、酷かったなぁ。<(_ _)>
一言で言うと「聖戦論」なのね。
日本の戦争がアジア諸国の開放に役立った的記述があちこちに出てくる。
こんな教科書で歴史を学ぶと、安倍晋三のミニチュア版が続々と生まれかねないと思った。

それが狙いで「日本会議」などが自治体の教育委員会への圧力を強めていて、横浜などではかなり危うい状況が続いているようだ。

横浜の教育委員会は碌でもない委員が大きな顔してる、最悪の教育委員会だと思う。
 「新かながわ」というローカル新聞に掲載された、横浜市立中学校元教員の記事を後半だけ転載する。
これらの教科書が何を狙っているか、よくわかる。

育鵬社の教科書採択させない

 侵略戦争を美化

 育鵬社教科書の第3の問題点は、アジア・太平洋戦争を「大東亜戦争」と呼び、欧米諸国の植民地だった東南アジアを日本が「解放」した戦争であるかのように美化することである。育鵬社の「歴史」は、日本軍の東南アジア占領について、「日本軍の勝利に、東南アジアの人びとは独立への希望を強くいだきました」「これらの植民地は、戦争が終わった後、十数年のあいだに次々と自力で独立を勝ち取っていきました」と記述しています。

 しかし、事実は、東南アジアの資源を手に入れるための侵略戦争でした。1943年5月31日の御前会議で決定された「大東亜政略指導大綱」では、「『マライ』『スマトラ』『ジャワ』『ボルネオ』『セレベス』(現在のマレーシア、シンガポール、インドネシア)は帝国領土と決定し、重要資源の供給源地として極力これが開発並びに民心把握に務む」(本文カタカナをひらがなに変更)と侵略の意図を明記しています。

 それらの地域には、石油、鉄、ゴムなど日本が戦争を続けるために絶対に必要な資源があり、国内では、「南方に行けば何でも手に入る」と言われていたのです。

 朝鮮や満州を支配し、中国に攻め入っている国が植民地を解放するなどと言っても全く通用しません。日本の特務機関が育てたビルマ独立のリーダー、アウンサン(スーチーさんの父)は、独立とは名ばかりで日本の軍政が続く実態に反発し、45年3月に反乱を起こし、6月までに日本軍を追放したため「ビルマ独立の父」とされています。

 他の教科書は、「欧米諸国の植民地とされてきたアジアの人々は、当初、日本軍に植民地解放を期待しました。しかし、占領地では、住民に厳しい労働をさせたり、戦争に必要な資源や食糧を取り立てたりしたほか、占領に反対する住民を弾圧することもありました」と指摘し、「日本軍に抵抗し、独立を目ざす運動が各地で強まっていきました」(教育出版)などと書いています。


 偏見・反感の植え付け

 第4の問題点は、領土問題の対立などを強調し、中国や韓国への偏見と反感を植え付けていることです。 日本の領土問題については、各社とも外務省の資料などを使って解説しています。それにも問題があります。加えて、育鵬社の「公民」は「領土を取り戻す、守るということ」の特集ページを組んでいます。

 中身を見ると、北方領土、竹島、尖閣列島を日本が活用していた戦前の写真や、韓国の李承晩(イ・スンマン)ラインで日本漁船が拿捕(だほ)されたことを怒る新聞記事などが載っています。これを中学生が読めば「中国・韓国はイヤだ」と感情的に反発するでしょう。

 私は、中学生が日本と中国・韓国の双方の主張を冷静に学び、将来、平和的な解決に向かわせる教育こそ必要だと考えています。


 現在、日本の貿易相手国は1位・中国、2位・アメリカ、3位・韓国、4位・台湾、5位・オーストラリアです。中国(香港を含む)・韓国との貿易額は、環太平洋連携協定(TPP)参加11カ国との貿易額より大きくなっています。台湾や東南アジア諸国との貿易も増加しています。


 これからの日本にとって中国・韓国やアジア諸国との関係は、決定的に重要です。そんなとき、育鵬社の教科書で学んだ子どもたちが、「日本の戦争はアジアを解放した」と中国・韓国、東南アジアの人たちに言ったらどうなるでしょうか。


 子どもたちにゆがんだアジア認識を持たせる教科書は、彼らの未来を閉ざします。何としても採択させないようにしたいものです