「対テロ戦争」と兵士   | 函南発「原発なくそう ミツバチの会」 ノブクンのつぶやき

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日本平和委員会発行の「平和新聞」7月25日号でイラク支援ボランティアの高遠菜穂子さんが、標記の見出しでイラク戦争の実態を報告している。

「5年前、イラクで米軍がジャーナリストと子どもを含む民間人を殺害する一部始終を捉えた映像がウィキーリ-クスによって暴露されたことをご存じだろうか。」で始まる記事は、「上空から撮影された白黒の映像に、耳をふさぎたくなるような米兵たちの汚い言葉のやり取りとせせら笑いの合間にとどろく機関銃の音。地面に倒れ込むイラク人たち、逃げ惑う彼らを執拗に狙い撃ちしていく。車道に停めてあったワゴン車には子どもたちが乗っているのが見えるが、けが人を車に運び入れようとしてるその瞬間に車は激しい銃撃を浴びる。」と続く。

「この映像の中に登場する米兵イーサン・マコードはある集会でこの映像を使ってスピーチした。彼はあの車の中に、内蔵が飛び出し、体中に破片が刺さった子どもたちを発見する。かすかに息のある子ども助けようと抱きかかえ、「大丈夫だ、死ぬな」と抱きしめ走った。しかし、上官から「そんなガキどものことでクヨクヨするな」と叱責される。」

この米兵マコードは本国に帰国した今も、イラクでの光景、子どもたちの叫び声、臭いがよみがえり、PTSDに苦しんでいるという。

「いつか一晩ぐっすり眠りたい。よみがえってくる記憶に取り憑かれることなく」というマコードの言葉を、戦争したがる愚者たちに聞かせたいと痛切に思う。

高遠は「イラクで戦死した米兵は4500人近いが、帰還してからの自殺はもっと多い。退役軍人会の発表でも1日22人のペースで自殺している」と書く。

「世界最強の米軍を恐怖で震え上がらせる、その武装組織を支えるもの。それは国家への忠誠というよりは一人一人が抱えている敵への怒りの感情だ。彼らはただ命令に従っている軍人じゃないのだ。私は、武装組織に拘束された時、その強烈な負の感情に圧倒された。「対テロ戦争」とはそういう戦争なのだ」と延べ、「安保法案が成立し、自衛官が海外で武器を使用することになれば、リスクが上がるのは当然だ。それは、日本国民の安全を確保するためだと言われるが、残念ながらそうはならない。逆に、国民のリスクは上がる。イラクなど戦地や海外で働く日本人だけでなく、日本国内にいてもリスクが高まるのは同じだろう。」

そして最後に「正義感溢れる自衛官ほど、自らを苛む光景と生きることになるだろう。サン・マコードのように」と結んでいる。

イラクに派遣され、憲法9条のお陰で戦闘行為には巻き込まれなかった自衛隊員約5480人のうち、21人が帰国後自殺している。自殺までしなかったものの、心の病を患った隊員は遙かに多いと元自衛隊中央病院精神科部長の福間詳氏が証言している。

安倍晋三という、自衛隊員は殉職するのが仕事のような発言をしている愚者が、この国を戦争出来る国に変質させようとしている夏、平和を願う国民の反撃が急がれる。


函南・9条の会メンバーが中心になって「函南・みんなの平和展」が8月7日(金)-9日(日)、函南文化センターと函南知恵の和館で開催される。
お近くのみなさん、一緒に平和について考え、語り合いましょう。