都構想否決、政界引退で橋下と安倍官邸の“改憲密約”はどうなる? 民間閣僚起用説も | 函南発「原発なくそう ミツバチの会」 ノブクンのつぶやき

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大阪都構想」の住民投票は結局、反対が賛成を約1万票差で上回り、否決された。これで大阪を壊滅的な状況に追い込むデタラメな計画は回避されることになったのはもちろん、首謀者の橋下徹は逆ギレでもしたのか、即日、政界からの引退を表明した。

政治家を続けることは100%ないのか」「10年後、20年後も復帰はないのか」という問いにも、橋下は「また2万%と言わせたいんですか」と笑いつつ、「ありません」「僕の人生で政治家は終わり」と言い切った。


 まあ、橋下のこと、この台詞をそのまま鵜呑みにすることはできないが、少なくとも、いますぐの国政進出はなさそうだ。


 しかし、一方で、その橋下と結託し、都構想に加担しながら、否決された途端に知らんぷりを決め込んで逃げ切ろうとしている連中がいる。ほかでもない、首相の安倍晋三と官房長官の菅義偉だ。


 安倍、菅の官邸コンビは、橋下と維新の党の連立への合流、憲法改正への協力という密約を結び、その見返りに裏で、自民党大阪府連が反対している都構想への支援を行っていた。


 これは永田町では常識になっている話だ。密約がかわされたのは昨年末の衆院選直前。あの衆院選で、橋下は当初、都構想に反対する公明党候補者の選挙区に維新の対立候補を立てると宣言していたが、結局、直前になってとりやめた。


「このとき、橋下に矛を収めさせるべく動いたのが菅官房長官だった。菅さんは親しい創価学会の佐藤浩副会長と橋下市長を引き合わせ、学会が自主投票するかわりに、維新は対立候補を立てないという裏取引をさせた。その流れで、橋下市長は安倍首相とも会い、憲法改正への協力密約ができあがったというわけです。シナリオは、参院選前に橋下さんが維新を割って自公連立に合流し、自らも出馬。圧勝して両院で憲法改正の3分の2を確保し、一気に国民投票まで持っていくというものだったと思います」(官邸担当記者)


 実際、衆院選直後の1月14日、安倍首相が関西テレビのニュース番組『スーパーニュース アンカー』に出演し、「(大阪都構想は)二重行政をなくし住民自治を拡大していく意義はある。住民投票で賛成多数となれば、必要な手続きを粛々と行いたい」とエールを送る一方、「維新が憲法改正に積極的に取り組んでいることに敬意を表したい」と語った。橋下氏は「僕はうれしくてしょうがなかった」と喜びをあらわにし、「(改憲は)絶対に必要で、総理にしかできない。何かできることがあれば何でもする」と、協力姿勢を鮮明にした。


 そして、国民投票が近づき、都構想賛成派の劣勢が伝えられると、菅官房長官の動きは露骨になる。5月11日、都構想反対演説を行った自民党大阪府連に対して菅は「まったく理解できない」と批判。裏では、自民党支持者が都構想支持に回るよう、子飼いの府議会議員に働きかけ、一部のネットサポーターを動かす工作までしていたという。


 また、本サイトでは5月5日に菅官房長官が再び橋下市長と創価学会・佐藤副会長の会談をセッティング、橋下が佐藤副会長に関西創価学会の説得を依頼したと指摘したが、実際、佐藤副会長は14日ごろに大阪入りしていたと伝えられる。


 その結果、たしかに情勢は変わった。10日の世論調査では反対派が賛成派を10ポイント以上引き離し、ほぼ勝負はついたと思われていた。それが急に賛成派が巻き返し、最後はほぼ拮抗状態になったのは、菅官房長官の工作が効いたためだといわれている。


 そのまま都構想が可決されれば、維新の大半の議員が橋下支持に回り、来年夏の参院選では自公、橋下派が圧勝して確実に憲法改正の発議に必要な3分の2を確保しただろう。


 しかし、大阪市民は馬鹿ではなかった。そのインチキは広く知れ渡り、都構想は否決、しかも橋下が政界引退したため、安倍、菅のもくろみは大きな狂いが生じることになった。維新は連立参加どころか、これから解党の危機を迎える可能性もある。


 「維新の党の江田憲司代表が辞任しましたが、これは責任をとったのではなく、維新を出て行くという意志のあらわれでしょう。江田代表には古賀茂明氏との新党立ち上げの噂もあるし、民主党合流の話もある。都構想で勝っていれば、江田氏についていく議員はほとんどいなかったと思いますが、この結果で、かなりの数の議員が江田氏と行動を共にし、維新に残る議員は少なくなるかもしれない。また、そうならなかったとしても、橋下氏抜きでは来年夏の参院選で惨敗必至、いずれにしても解党の危機に瀕することになる」(政治評論家)


 しかし、維新は解党しても、安倍政権の改憲の動きが潰えたわけではない。安倍、菅のコンビは参院選までに橋下に代わる改憲の協力者探しをはじめるだろう。実際、つい最近、江田代表の女性スキャンダルが発覚するのではないかという噂が永田町を駆け巡ったが、これは反政権的姿勢を強調する江田代表に対して、官邸が揺さぶりをかけて取り込むためのリークではないかという見方が有力だ。


 また、橋下にもほんとうにこのままで終わるのか、という疑惑がある。橋下は会見で安倍首相を絶賛した上で、「維新の党の顧問弁護士をやりたい」などと相変わらず維新に関与する姿勢を保っている。


 さらに橋下は会見で「憲法改正があるときは、どの段階から報道をはじめなきゃいけないか、考えなければならない。ディベートのルールも学んでいない放送局。僕らくらいの年齢の幹部のみなさんも、教育も受けていないんでしょうけど、討論会のありかたをメディアにしっかり勉強してもらわないと、正確な情報提供ができない。ディベートなのか質問会なのかわからない番組づくりだった」と国民投票でのメディアの対応に注文をつけるなど、改憲へのコミットメントの姿勢を隠していない。


 「参院選はないでしょうが、次の衆院選あたりに橋下さんが出馬する可能性は十分あるでしょう。議員ではなくても、安倍政権に内閣参与や民間閣僚のようなかたちで入る可能性もある。菅官房長官は次の総理にと考えているフシさえありましたから、そう簡単にあのコンビが解消されるとは思えない」(前出・官邸担当記者)


 大阪では恐怖の橋下劇場がようやく終幕したが、第2幕には安倍、菅との共演でもっと恐ろしいストーリーが用意されているかもしれない。
野尻民夫


「リテラ」より転載


小汚い連中が闇でうごめいている様が良くわかるような記事だ。
「改憲」という目標に向かって、様々な勢力がくっついたり離れたり、思惑がぶつかり合っているのだろう。
平和憲法を守りたいと考えている個人や集団は、努々油断してはいけない。
僅差とは言え反対が上回り、改憲策動に一定の打撃とはなっただろうが、改憲派は次の手を、そして次の次の手をどう打つか検討しているんだから。
安倍政治を見ていると、その裏の巨大な意思がかなり緻密な作戦で策を弄していると確信する。
マスコミを手名付け、教育を統制し、独裁をカモフラージュし、平和をすり替えetc 墜落事故を起こしたオスプレイを「安全と確信している」と平然と言ってのける神経ですべてを仕切る。
「戦後レジーム」からの脱却というスローガンを、彼らは確実に一歩一歩階段を上るように実行に移しているのだと思う。

反撃の狼煙をどう上げていくのか、沖縄・大阪に続く動きを全国的に作り出せれば良いのだが。