大阪都構想:住民投票否決 橋下劇場、閉幕へ/維新という徒花の終焉 | 函南発「原発なくそう ミツバチの会」 ノブクンのつぶやき

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◇笑顔「負けは負け」 都構想「間違いということ」

 大阪市民(約270万人)は「橋下政治」にノーを突きつけた。大阪都構想の是非を問う住民投票は反対が多数となり、大阪維新の会代表の橋下徹・大阪市長が唱えた都構想は否定された。「住民投票で負けたら政界引退」と公言していた橋下氏。この日の結果を受け、改めて政界引退を表明した。

 「政治家として悔いのない7年半だった。幸せな7年半だった。こんな最高の終わり方はない」


 橋下氏は17日午後11時過ぎから、松井一郎・大阪府知事(大阪維新の会幹事長)とともに大阪市北区のホテルで記者会見し、敗北を率直に認めた。橋下氏は「(今年12月の)市長任期まではやるが、それ以降は政治家をやらない」と語り、政界引退を表明した。


 橋下氏はスーツ姿で会見場に登場し、時折笑みをみせながら、「負けは負け。都構想が間違っていたということになるんでしょうね」と語った。住民投票の結果については「大阪市民のみなさんが重要な意思表示をした。ありがとうございます。大変重く受け止めている」と述べた。


 橋下氏は2008年2月に大阪府知事に転身、約2年後に都構想を提唱した。「これまで都構想に多くの税金を投入してきた。特に大阪府市の大都市局の職員は相当なエネルギーを費やしてくれた。政治家冥利につきる」と感慨深げに話した。


 政界を引退した後の予定を聞かれると、「国民の奴隷ではない。弁護士としてプライドもある。今度は自分の人生をしっかり歩んでいきたい」と、独特の言い回しで説明した。


 松井氏は「大阪市の皆さん、市民が悩んで判断した結果だ。真摯(しんし)に謙虚に受け止め、残された任期をしっかりと働きたい」と話した。


 都構想を明治維新に匹敵する大事業と位置づけてきた大阪維新の会にとって、この日は「生きるか死ぬかの戦い」(維新幹部)だった。しかし、世論調査では劣勢が伝えられ、数日前から約1000人を動員するなど、なりふり構わぬ戦いを展開してきたが、かなわなかった。


 ◇ノーサイド 反対派会見


 共同で反対を訴えた野党などは大阪市内で記者会見を開いた。自民党は17日午後10時40分ごろ中央区で記者会見し、府連会長の竹本直一衆院議員は「華やかな都構想に比べて地味な主張だったが、理解が得られた。これでノーサイド。(橋下氏と)協力して経済的にも東京に負けない大阪をつくっていきたい」と述べた。【平川哲也】


 ◇民意つかむセンス/「独裁的」批判


 ジーパン、茶髪にサングラス。舌鋒(ぜっぽう)鋭い弁護士としてテレビ番組で人気者だった橋下氏は突然、全国最年少知事として大阪府知事(2008年1月)に転身し、世間を驚かせた。


 「皆さんは破産会社の従業員です」。就任直後から刺激的な言葉で注目を集めた。「財政非常事態宣言」を出し、一般職員の給与を4~16%カット。2年後には約484億円の人件費を削減する手腕を見せた。


 民意をつかむセンスはずば抜けていた。既成政党や相手陣営を自らの改革の「抵抗勢力」と位置づけて一刀両断。09年の堺市長選で、元府部長の新人、竹山修身氏の支援に回り、民主や自民など4党が相乗りの現職を破る力を見せつけた。


 地域政党「大阪維新の会」を10年に設立し、都構想の実現に向けて動き出した。知事を辞職して府市ダブル選を仕掛け、11年12月に松井一郎知事とともに大阪市長に就任。維新のダブルトップが実現した。


 ただ、こうした民意を背に、強気で二者択一を迫る政治手法は「独裁的」と評され、周囲との溝を深めることになり、「ハシズム」との造語も生まれた。13年には従軍慰安婦発言で世界中から批判を浴びた。都構想への参入が争点となった堺市長選でも支援する維新候補が敗北。都構想の協定書案が野党の反対多数で否決されるなど、その「神通力」の陰りが指摘されていた。【念佛明奈】


「毎日新聞」より転載


結果について心配していたが、僅差とは言え大阪市民は橋下政治にNO!を突きつけた。
自民・民主・共産が連携を組み「自共連携」「呉越同舟」で「今ここでは憲法問題も消費税問題もひとまず横に置いておいて大阪市をなくさないために手をつないだ」結果とも言える。
しかし出口調査では、20代30代の若い層の6割は大阪都構想に賛成だったという。
非正規労働者の割合が高い世代で、世論調査の対象にならない固定電話を持たない世代の維新への傾倒を他の政党がどう対応するのか。
既得権益打破という言葉が、僕に言わせればまったくの嘘だけど、一定の支持を集めているということを他の政党がどう受け止めるのかが問われているように思う。
そして橋下流の何か一つの敵を作り出し、それで良いのかと迫る○×政治がもたらすものについても、考察が必要だ。


改憲の予備行動とも言われた今回の住民投票が、権力者の狙い通り行かなかったことに少し安堵しつつ、橋下に次いで最大の独裁者安倍晋三を辞めさせるために新たな大同団結を造り出さなければいけない