言論封殺 ― 苛立つ安倍の強権姿勢と下落する支持率/安倍政権から日本を取り戻す | 函南発「原発なくそう ミツバチの会」 ノブクンのつぶやき

函南発「原発なくそう ミツバチの会」 ノブクンのつぶやき

「原発なくそう ミツバチの会」の活動報告や事務局ノブクンの日々のつぶやきを発信しています。

 安倍首相が仕掛けた争点隠しの師走総選挙。野党の選挙準備が整わないなかでの解散だったため、自民の圧倒的有利かと思われていたが、この2週間あまりで状況は一変。野党間の選挙協力が進み、きょうの公示を前に、官邸周辺で自民党の大幅議席減が囁かれる事態となっている。


 原因は解散を断行した安倍晋三首相の言動。アベノミクスを前面に押し出し、集団的自衛権や原発再稼働、特定秘密保護法といった国の将来を左右する課題の争点化を避けようとする姑息さに加え、批判的な報道や意見に威圧的な姿勢を見せたことで、国民の支持を減らす形となっているのだ。拡がる嫌悪感、下がり続ける内閣支持率……。言論を封殺し、民意を踏みにじる安倍自民党に、国民の拒絶反応が出始めている。


暴走する安倍と自民党

 ネット右翼には寛容だが、一般大衆の声には恫喝で応える――これが安倍晋三の実相だ。まず衆院解散後、TBSの報道番組 『NEWS23』に出演した安倍首相は、街頭インタビューでの有権者のコメントに逆切れ。コメント自体は、景気の悪さやアベノミクスの効果を実感していないという、ごく当たり前のものばかりだったが、これらの意見にむきになって反論。自説に迎合した声が無かったことに「これおかしいじゃないですか」とまで言い出した。見苦しい姿に苦笑したのは、記者だけではなかったはずだ。


 この時の屈辱がトラウマになったのだろう。20日、側近の総裁特別補佐・萩生田光一筆頭副幹事長と福井照報道局長の連名で、NHKと民放キー局に対し、選挙報道の公平中立などを求める要望書を就き付けた。要望項目は4点。

  • 出演者の発言回数及び時間等については公平を期すこと
  • ゲスト出演者の選定についても公平中立、公正を期すこと
  • テーマについて特定の立場から特定政党出演者への意見の集中がないよう、公平中立、公正を期すこと
  • 街角インタビュー、資料映像等で一方的な意見に偏る、あるいは特定の政治的立場が強調されることのないよう、公平中立、公正を期すこと


 報道に対する権力側の圧力も、ここまで来れば度を越えている。右寄りの会長と経営委員が幅を利かすNHKはもちろん、政権の広報紙「読売」「産経」の系列である日本テレビやフジテレビは安倍の味方。狙いが、政権に批判的なTBSの『NEWS23』とテレビ朝日の『報道ステーション」であることは疑う余地がない。報道の自由を力で封じ込めるやり方に、多くの国民が危険な臭いを感じ取っている。


小4なりすましに過剰反応―国民を騙しているのはどっち?


  批判を受け止める寛容さをもたない安倍の、異常なまでの攻撃性が発揮されたのが、一大学生に対する対応だった。話題を呼んだ『どうして解散するんですか?』というインターネットサイト。じつは東京の大学生が小学4年生になりすまして作成していたものだと分かった途端、安倍首相は自身のFacebookで≪批判されにくい子供になりすます最も卑劣な行為≫と痛烈に批判。一国の宰相とは思えぬ過剰な反応を示し、問題視されてFacebookの問題の箇所を削除した。下がネット上で掲載された『どうして解散するんですか?』の画面。記されていたのは、どう見ても大多数の疑問を集約したもの。内容自体は分かりやすく、拍手を贈りたいほどだった。

どうして解散するんですか?


 なりすましは感心できないが、安倍の反応は、あまりに大人げない。政治家であるなら、問題を起こした大学生に、言論のあるべき姿について諭した上で、理路整然と反論すればよかったこと。自身の失政を棚に上げ、学生の人格まで否定するようなマネが、宰相のとるべき態度とは思えない。そもそも、「美しい国」だの「国民のため」だのと虚言を並べ立て、その実戦争に突き進む安倍の方がよほどタチが悪い。総選挙の争点隠しも同じ。国民を欺いているのは、安倍の方なのだ。


支持率下落 ― 問われる安倍の強権政治


  先の戦争、軍部は負け戦であることを隠ぺいし、嘘の大本営発表をたれ流し続けた。新聞各紙も右へ倣え。戦意高揚と虚報ばかりの紙面で国民を欺いた。報道が権力に屈した結果、騙された国民が塗炭の苦しみをなめ、世界で唯一の被爆国となったのは周知の通りだ。権力側が報道を牽制するのは世の常。決して珍しいことではない。だが、それにも許容範囲というものがあるはずだ。首相や政権政党がテレビ局を恫喝し、勇み足の学生を叩きのめすようなマネが肯定されれば、それはまさに戦前の日本。安倍と自民党の暴走を、黙って見過ごしてはならない。


 経済優先の政権に対する期待は、高い支持率が続いてきたことでもわかる。しかし、アベノミクスが一部の株投資家と輸出関連企業のためだけの政策であったことに気付き始めた国民は少なくない。加えて、特定秘密保護法や集団的自衛権の行使容認、原発再稼働や米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設強行と、民意を無視した暴政の連続。人気に陰りが出ているのは確かだ。


共同通信の世論調査では、ついに内閣支持率の「不支持」が「支持」を上回る結果となっている。官邸周辺もざわついており、一部からは「ここままでは自民党は50~60議席を減らし、事実上の敗北を喫するのではないか」と懸念する声があがっている。


 きょう総選挙の公示。戦争に向かってさらに踏み出すのか否か、そのことが問われる選挙だ。子どもや孫たちの世代に、「なぜあの時に止めなかった」と責められる選択だけはしたくないが……。



「Hunter」より転載



本日総選挙公示日。
政治に期待しないという声もあちこちで聞く。
しかし国民個人がどう無関心を装うとも、自らを取り巻くこの国の政治は、そうした無関心の上で否応なく、国民個々人にのしかかってくるのだ。

そこ行く青年よ、君がどんなに「政治なんかオレには関係ねぇと」言ったところで、安倍政権に引き続き絶対的安定多数を与えたら、君にも徴兵が掛かってくるかも知れないぞ。
「オレは軍隊なんか行きたくねぇ」と言ったら、厳罰を食らう時代が来るかも知れないんだぞ。

高倉健に続いて亡くなった菅原文太は、晩年すっかり反戦オジサンになっていたが、「しんぶん赤旗」が本日のコラム「潮流」で彼の事を取り上げていた。



最後に姿を見たのは那覇のセルラースタジアムでした。沖縄知事選に立った翁長氏の集会。歓声を浴びた菅原文太さんは痛烈に批判しました。「(仲井真知事は)最も危険な政権と手を結んだ。沖縄の人々を裏切り、公約を反故(ほご)にして辺野古を売り渡した」


▼1カ月後に、まさか訃報を聞くことになるとは。高倉健さんに続き、時代を映してきた俳優が世を去り、寂しさがいっそう募ります。2人はデビューも同時期。ヤクザ映画で注目され、文太さんは「トラック野郎」で人気を博しました


▼ギラギラした迫力と、みなぎるエネルギー。いぶし銀のような渋さと人間味あふれる温かさ…。どんな役柄になっても、圧倒的な存在感を示し続けました


▼時代が求めるものに敏感でした。銀幕やドラマの世界だけでなく、現実の社会や政治についても積極的に発言し、行動。山梨に移住して農業を営みながら、「いのちの大切さ」を呼びかけました


▼本紙にもたびたび登場。消費税の増税や秘密保護法に反対する談話を寄せてくれました。「憲法には主権在民と書いているのに、これでは国民に主権なし、ということでしょう」。共産党とも一致する問題で力を合わせたい、と


▼7年前にがんを発症してから「学びの時間」をもちました。妻の文子さんは、二つの小さな種をまいて去ったといいます。無農薬の有機農業を広めたこと。もう一粒は、日本が再び戦争をしないという願いが立ち枯れ、荒野に戻ってしまわないよう、ともに声を上げることでした。


先日、あるところでの学習会に呼ばれたとき、締めくくりに話したこと。

 安倍晋三の「大国」への執念は首相執務室に岸伸介の写真を掲げている彼個人の思いだけではなく、日本の支配層とアメリカの意向を受け、その上を極右思想でカバーするという特異なものであり、単純な戦前回帰路線ではない。

 後4年間、この国の舵取りを安倍晋三にゆだねて、いびつなグローバル大国化を許すのかどうか、今回の総選挙の帰趨に掛かっていると思う。