新エネルギー転換政策法案に関する議会での審議が開始した翌日、オランド大統領はフランス電力公社(EDF、仏政府が85%の株を保有するフランス最大の電力会社)の社長をアンリ・プログリオ氏からジャンベルナール・レヴィ―氏に交代させた。
これはオランド大統領が選挙で原子力の割合を現在の75%から50%にまで下げることを公約して当選したこと、議会が新たな電力政策を審議していることを考えると筋の通った対応である。
前社長のプログリオ氏はオランド大統領が同じく選挙で廃炉を公約したフェッセンアイム原発(1978年稼働、オランド大統領の公約で2017年に閉鎖予定)の廃炉に後ろ向きな態度を取ったばかりか、フランス国内の老朽化した原発への対応に着手せず、原子力との見切りをつけようとしなかった。
フクシマ後のフランスには数多くの老朽化した原発が残されている。今後これらを使い続けるためには、福島原発事故の発生を受けてより厳格化された安全基準を満たすための膨大な予算が必要となる。
「原発は安い」という時代は終わった。
新社長の手腕が問われている。
(抜粋、一部編集)
●元の記事:「フランス電力公社:プログリオ後に控える新社長への試練」/ルモンド紙社説(10月17日)
« EDF : après proglio, les défis du nouveau PDG », Le Monde, 2014.10.17
http://www.lemonde.fr
「フランス猫のNews Watching」より転載
原発大国フランスでも確実に潮目は変わりつつあることを感じさせる記事だ。
文字通り「原発は安い」という時代は終わったのだ。
変わらないのは、日本だけという時代に突入しつつあるのだろう。