逃げる外国人投資家…なりふり構わぬ安倍政権の「窮余の策」 年金資金の株式市場への投入 | 函南発「原発なくそう ミツバチの会」 ノブクンのつぶやき

函南発「原発なくそう ミツバチの会」 ノブクンのつぶやき

「原発なくそう ミツバチの会」の活動報告や事務局ノブクンの日々のつぶやきを発信しています。


大納会の高値を超えられない/(C)日刊ゲンダイ
 

















先週、明らかになった外国人投資家の巨額の日本株売り。今月9~15日の週に海外の投資家が日本株を1兆924億円も売り越したのだが、これはリーマン・ショック後で最大、世界的に株価が大暴落した1987年のブラックマンデーに並ぶ規模だ。



「外国人投資家は昨年だけで15兆円を買い越していた。4月からの消費税増税で日本の景気が悪くなるのは確実だから、ここで売りに転じて利益を確定させようということです。また、安倍首相が経済重視の姿勢から、集団的自衛権などの安全保障政策に力を入れる方針に転じたことも大きな売り要因になっている。外国人投資家にとって、周辺国との緊張を高める右翼路線がカントリーリスクになっているのです」(東海東京証券チーフエコノミスト・斎藤満氏)



 アベノミクス相場を支えてきた外国人投資家に逃げられたら、株価頼みの政権はオシマイだ。今後、外国人好みの政策を打ち出して、なりふり構わぬ「PKO」に走るとみられている。




PKO(Price Keeping Operation)とは、国連平和維持活動をもじったもので、政府による株価維持政策のこと。さっそく、菅官房長官は19日の経済財政諮問会議で、法人実効税率の引き下げについて「来年から取り組むべきだ」と踏み込んだ。しかし、その日の夕方、ロイター通信は「日本株への資金流入が逆流、外国人はアベノミクスの約束に疑い」と書いていた。



■法人減税 追加緩和 雇用改革 年金基金投入……



「法人減税は代わりの財源をどこから持ってくるのかという問題があって、外国人投資家の間でも実現性が疑問視されている。海外の投資家を呼び戻すため、もっと分かりやすい刺激策があります。例えば、追加の金融緩和。マーケットが追加緩和を期待しているのは間違いない。もう一段の円安が進めば、為替差益で業績が良くなる輸出企業が買われるでしょう。3・5兆円という日銀のETF買いの枠をさらに拡大することも考えられます。あとは、特区を中心とした規制改革で、企業活動を後押しする政策をどれだけ出してくるかです」(ロータス投資研究所代表の中西文行氏)




企業の収益率を上げるのに手っ取り早いのは人件費のカットだ。昨年来、産業競争力会議などが「雇用の流動化」を進めるのに躍起だが、株価維持のため、雇用が犠牲にされるのか。安倍政権が原発再稼働に前のめりなのも、企業の利益率を上げることしか考えていないからだ。



「安倍首相が、株価維持が最重要と考えているのなら、目減りするリスクを顧みずに、年金基金などの公的資金を株式市場につぎ込むことも考えられます」(斎藤満氏=前出)



 どれも庶民には何のメリットもない。日銀や公的資金が買い支えて無理やり株価を維持するくらいなら、いまや「カントリーリスク」と化した安倍が辞めるのが一番の株価対策になるのでは? 




「ゲンダイネット」より転載



安倍内閣はすでに昨年、年金資金で株式購入という博打的手段を使った。



参院選を前に「第2の株価大暴落」が起きれば、安倍政権の高い支持率も国民の期待も一気に弾ける。それを恐れた政府は、株価急落を食い止めるため、「国民のカネ」に手をつけた。株価が大暴落を続けていた6月7日、厚労省傘下の「年金積立金管理運用独立行政法人」が突然、株の買い増しを決めたのだ。


 この組織はサラリーマンの厚生年金と自営業者の国民年金の積立金約120兆円を運用する「世界最大の年金ファンド」で、運用先は国債など国内債券が67%、国内株式11%、外国株式9%などと定められている。政府はその資産運用配分を見直し、国内債券の割合を60%に引き下げ、かわりに国内株式を12%に引き上げた。わずか1%でも金額にすれば1兆円を超える。


 世界最大のファンドは市場を大きく動かした。この方針が伝わると300円近く下がっていた株価は一気に戻した。「株価PKO」と呼ばれる政府による事実上の市場介入だった。


「年金博士」こと社会保険労務士の北村庄吾氏の指摘は厳しい。
「国民から預かっている公的年金の運用は手堅くすべきで、専門家の間にはリスクある株式での運用そのものに批判が強い。百歩譲って株を買うにしても、せめて株価が上昇を始めた今年1~2月までに決めるべきでした。それなのにわざわざ株価急落の真っ最中に買い増しを決めたのは、国民の財産を政権維持のために使っているも同然です。株価がさらに暴落したら、国民の年金資金を失うことになる。その責任を一体、誰が取るのか」

※週刊ポスト2013年6月28日号



こんな政策を続けさせていたら、この国は破滅する。