公明党の漆原良夫国対委員長は二十五日付のメールマガジンで、安倍晋三首相が集団的自衛権の行使を容認するため、憲法解釈を変更する閣議決定を目指していることについて「『国民の声を聴く』という一番大切な部分が欠落しており、到底賛成できない」と批判した。
公明党は政権の「歯止め役」を自任している。しかし、首相が集団的自衛権で前のめりの発言を繰り返すのに対し、歯切れが悪いとの指摘も出ている。漆原氏には、幹部が党の基本的な姿勢を明確に発信する狙いがあるとみられる。
漆原氏は歴代の首相が一貫して憲法九条の解釈として集団的自衛権の行使はできないと説明してきたことを紹介。「ある日突然、首相から『閣議決定で憲法解釈を変えました。日本も今日から集団的自衛権を行使できる国に変わりました』などと発表されても国民は到底納得しない」と疑問を呈した。
首相が閣議決定を先行させる段取りを想定していることにも「このような重大な事柄を、たった十九人の(首相と)閣僚だけで決定してしまうのは、いかにも乱暴にすぎる」と指摘。政府が憲法解釈変更の案をまとめたら、閣議で決定する前に国会で議論するべきだという考えを示した。
漆原氏は衆院比例代表北信越ブロックで当選六回。六十九歳。弁護士を経て、一九九六年の衆院選で新進党から初当選。二〇〇六年九月、公明党の太田昭宏代表(当時)の下で国対委員長に就任。代表が山口那津男氏に交代後も続投した。
国対委員長は法案の扱いや議事日程など国会運営に関する調整を取り仕切る。幹事長や政策調査会長に次ぐ重要ポストとされる。
「東京新聞」より転載
「平和と福祉の党」の旗がすっかり色あせて、今や自民党山口派に成り下がった公明党だけど、少しは意地を見せるつもりがあるのかな。
何しろ大先生は「人間革命」なんて著作で「戦争ほど悲劇なものはない」とかおっしゃっているんですから、少しはその教えを政治の場で実践して欲しいものだ。