菅官房長官 籾井NHK会長の慰安婦発言 「問題ない」と弁護   重責担う資格に欠けるのに  | 函南発「原発なくそう ミツバチの会」 ノブクンのつぶやき

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菅義偉官房長官は二十七日午前の記者会見で、NHKの籾井勝人会長が就任会見に際し、従軍慰安婦問題について「戦争地域ではどこでもあった」と発言したことに関し「籾井会長が個人として発言した。社会的使命を担う公共放送のトップとして、放送法に基づいて職務を果たしていただきたい」と、辞任は必要ないとの考えを示した。 



 安倍政権として、籾井氏を擁護する姿勢を明確にした発言。日本政府に対し海外から批判が出るのは必至で、国内でも二十八日から衆参両院で始まる与野党代表質問で野党側は政権を追及する構えだ。



 菅氏は会見で「籾井氏は会長としての発言と個人としての発言の整理がついていなかったのだろう」と指摘。「会長としての発言なら取り消すと言われたので問題ない」と強調した。さらに「最初(の記者会見)だから戸惑ったのだろう。個人的なことを言っても、『会長として(発言した)』と捉えられるということを理解して(今後は)職責を果たしてくれると思う」と述べた。



 安倍晋三首相の慰安婦問題への対応については「首相は筆舌に尽くしがたいつらい思いをした方々のことに心を痛めている。この点は歴代首相と変わりない」と述べた。

 


◆菅官房長官の一問一答

 

 菅氏の記者会見の一問一答は次の通り。


 -政治的中立性の観点から疑問視する声がある。

 「籾井会長が個人として発言されたものと承知している。社会的使命を担う公共放送のトップとして放送法に基づいて職務を果たしていただきたい」


 -外交上の懸念は。

 「会長はどうしてもと言われて個人として発言したが、会長としての会見だと指摘されて、会長ならそこはすべて取り消すと言っているので、問題ない」


 -軽率だったのでは。

 「会長としての発言と個人としての発言の整理がついていなかったのだろう」


 -籾井氏は国際放送の強化などで政権の意向に沿うという趣旨の発言も。


 「NHKの国際番組基準でわが国の国際問題に対する公的見解、世論動向を正しく伝えることが規定されている。この基準順守が重要だ」


 -会長人事は政権の意向が反映されたのでは。

 「まったくない。法的手続きに基づき、粛々と選ばれた方だ」

 


◆「個人的」ありえぬ

 

 ジャーナリズム論が専門の桂敬一東大元教授の話 NHK会長として失格だ。就任の記者会見は、公人として会長としての所感を披歴する場。記者は趣味の質問をしているのではなく、会長がどのような物の考え方かを聞いているのであって、個人としての発言はありえない。それをわきまえないで、中立・公正を求める放送法に縛られるNHK会長としての役割が果たせるわけがない。また、慰安婦問題などが百歩譲って個人の意見としても、「政府が右というものを左というわけにはいかない」との発言は到底、個人の発言とは思えず、NHKの在り方を語った言葉だ。菅官房長官の擁護発言はおかしい。



「東京新聞」より転載



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社説[NHK新会長発言]重責担う資質に欠ける





公共放送の現場を預かる会長が就任の記者会見で見識を疑う発言を平気で口にするようでは、先が思いやられる。

対韓外交を損ねただけでなく、NHKに対する信頼を就任早々、傷つけてしまった。

 籾井(もみい)勝人会長は25日の会見で、従軍慰安婦問題について問われ、「今のモラルでは悪いが、現実にあった。戦争地域にはどこにもあった」と語った。

 重ねて歴史的事実を問われると、むきになって「ヨーロッパではどこだってあったでしょう。じゃあ、なぜオランダに今ごろまだ飾り窓があるんですか」と、茶の間には流せないような発言が飛び出した。飾り窓とは売春街のことである。

 籾井会長は「今、韓国がやっていることで一番不満なのは」と、あえて前置きし、韓国の対応を批判した。

 「韓国は日本だけが強制連行したみたいなことを言っているから、話がややこしい。お金よこせ、補償しろと言っているわけですよ。しかし、そういうことはすべて日韓条約で国際的には解決している」

 「お金よこせ」という言い方は、生存する当事者の尊厳をおとしめる一方的発言である。とうてい認められない。

 過去の植民地支配に対する反省が感じられないような発言が公共放送の新会長から飛び出したことは、日韓関係を一段と悪化させるおそれがある。

 会長の職務を監督し評価するのは経営委員会の役割である。委員会は会長発言をどう受け止めるのか。委員会の姿勢も問われている。

    ■    ■

 政府・自民党の中には以前から、「番組が偏向している」との批判が強かった。籾井会長が会見で何度も「放送法の順守」を強調したのは、政府・自民党による偏向批判を意識した発言だとみて間違いなさそうだ。

 籾井会長は「国際放送で尖閣、竹島など領土問題について明確に日本の立場を主張するのは当然だ」とも語った。これも自民党が強く要請していたものである。

 NHKは放送法に基づいて設立された特殊法人で、「国営放送」でもなければ「半官半民」でもない。NHK自身がネット上で説明しているように、政府の仕事を代行しているわけでもない。

 政府を監視するというメディア本来の姿勢が弱まり、政権寄りの報道が続けば、NHKに対する高い信頼は失われる。そのことは現場が一番よく知っているはずだが、気になるのは、早くも報道姿勢に変化が生じ始めているように見えることである。

    ■    ■

 24日夜に放送されたNHKスペシャル「返還合意から18年 いま“普天間”を問う」は、政府の広報番組のような内容だった。

 小野寺五典防衛大臣の言い分をえんえんと流すだけ。名護市長選の意味を問い直すこともなく、辺野古移設反対の民意を丁寧に伝えることもなかった。

 NHKの内部で何が起きているのか。受信料を徴収している以上、説明責任を果たすことが不可欠である。




「沖縄タイムス」より転載



こんな男を、公共放送のトップに据えさせていてはダメだ。
辞任しろの声を大きくしよう。