中部電力の水野明久社長は30日、名古屋市内で会見し、浜岡原発(御前崎市佐倉)で実施している津波対策の工期延長について「対策が完了する2013年12月まで(浜岡原発の運転)再開はできないと考えている」と述べ、再稼働は工事完了後になるとの見通しを示した。
具体的な目標時期については明言を避け、「対策をやり切り、地元に丁寧に説明していくステップが必要。その上でご判断をいただきたい」と話した。
中電は昨年5月に政府の全炉停止要請を受け入れる際、「津波対策完了後の全面再開」を条件に要請を受諾。防潮堤建設などの工事に取り組んでいる。
中電は今年3月、当初1千億円と見積もっていた工事費を1400億円に増額した。工期の延長に伴うさらなる増額はないという。
「安全性高める余裕ができた」 川勝知事
中部電力が浜岡原発の津波対策工事の延長を決めたことに対し、川勝平太知事は30日、「十分に安全性を高めるための時間的な余裕ができた」との認識を示した。県庁で記者団の取材に応じた。
知事は同日、中電の小野田聡静岡支店長らと面会。「安全第一が基本的な姿勢だ。しっかりとした工事をしてほしいと伝えた」と明かした。
さらに、「当初は来年から再稼働の厳しい議論になり、県民が割れる事態もあったが、当面はそれを避けられる」と指摘し、延長による期間を防潮堤の健全性の確認などに充てる必要性を強調した。
知事は、市民団体が実現を目指す浜岡原発の再稼働の是非を問う住民投票にも言及。「(住民投票を)緊急性を持ってやるべきかという点に県議会でも議論が集中すると想像する」と述べ、津波対策工事の延長が議会の判断に影響するとの見方を示した。
安全安心の優先を評価 御前崎市長
中部電力が浜岡原発(御前崎市佐倉)津波対策工事の工期延長を発表したことを受け、水谷良亮浜岡原子力総合事務所長は30日、石原茂雄市長に、具体的な工程や追加工事の内容を説明した。
市役所を訪れた水谷所長は工程表や「緊急時対策の強化」の補足資料などを示し、「安全のレベルを上げたい」と述べた。
石原市長は御前崎市民や浜岡原子力発電所安全等対策協議会(4市対協)への説明を求めたうえで、「安全安心を優先することは評価できる。やる以上、時間がかかっても完璧な対策をする方がいい」とした。
「静岡新聞」より転載
津波対策だけ完成しても、地震の揺れには対応なし。
なにせ東海地震震源域の真上なんだから。
そんなことで、安全確保なんて言えるわけがない。