隠蔽された歴史 ダーウィンに消された男 | 巫kannagiのお喋りブログ

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あの有名なチャールズ・ダーウィンに、消されてしまった男がいると言う、ノンフィクションの本だが、出た当時は、分厚いこの本を、3日で、昼夜掛けて読んだものだった。朝日新聞出版から、1984年に出版され、その年の新刊で買って読んだ。





例の『種の起源』に関しての話だった。

掻い摘んで、説明するが、昆虫採集家だった、アルフレッド・ラッセル・ウォレスと言う人物がいた。ウォレスは、日々、昆虫採集をして、標本にしたり、花々を採取し、標本にして販売して、生計を立てていた。



ある日、ウォレスは、地域や場所によって、木々や花々、昆虫の生態の変化に気付いた。



それを刻銘にメモしてまとめ、その変化についてを論文にしたためた。



友人達に、話をするも、論文などは、上流階級の貴族の人間が、書いて発表するもので、最下流階級の人物がするものでないと言われたが、ウォレスは、どうしても、発表したかった。



そこで、ウォレスは、昆虫標本などを購入してくれる、上得意先だった、貴族で学会員だったダーウィンに、論文を送ったのだった。



ダーウィンは、ウォレスから送られてきた論文を読み、愕然とした。自分が考えても解けなかった謎が記されていたからだった。ダーウィンは、同じことを、書いていたが、何故、生態が変化するのかが、まだ掴めていなかったのだ。



最下流階級だと思っていたウォレスの論文は、完璧なもので、どう生態が変化する謎にも言及していたのだ。



あとは言わずもがなである。ダーウィンが、ウォレスの論文を見て、拝借したのである。多少、文体は変えたとしてもだ。



とりあえず、学会での発表は、ウォレスも同席し、発表された。上流階級の貴族の学会に、最下流階級のウォレスもダーウィンによって、招待されたのだ。



発表では、先にダーウィンが紹介され、後からウォレスが紹介されることになった。著者に言わせると、論文のプライオリティ(優先権)は、先に発表を行ったダーウィンにあったと言うのだ。



所謂、一種のトリックみたいなもので、先に紹介で発表した方が優先権が与えられると言う、慣例に基づいたと言われている。



まんまと、ウォレスは、ダーウィンに、歴史上の功績を消されてしまったと言うことだ。



貴族にしか、優先権は与えないよと言うシナリオだったのだが、ウォレスにとっては、自分の論文が学会で受け入れられたことだけで、満足だったようだが、現実は、ウォレスの方が先に、種の起源についての内容は気付いて論文にしたためたのには、間違いがなかったのにだ。



まぁ、今でも、義務教育あたりでも、ダーウィンのことは知ると思うが、ウォレスのことは知らないのではないだろうか?



世の中と言うものは、昔から、実際は部下の手柄なのに、力ある上の役職者の手柄になってしまう構造の歴史だったのを、よく知るノンフィクションでもあった。