移住一周年 | パドックに魅せられて

パドックに魅せられて

競馬歴45年。
馬ほど美しい動物はいません。

一年前の夜、私はここ美ヶ原高原の中腹にある別荘に移り住んだ。玄関の前の小高い崖道を、転びながらこの家にやって来た。引っ越し荷物は明日来る。テレビも何もない2DKのこの家で、長い夜をどうやって過ごしたのか覚えていない。寝袋は持ってきていたから、たぶん寝袋で寝た。風呂に入ったのだろうか。飯は何を食べたのだろう。

あれから一年経った。終の棲家にするつもりで来たこの家。たった一年のあいだにいろいろなことがありすぎた。まさか救急車で入院するとは思わなかった。

一年住んだが、隣近所はほとんど無人であることがわかった。ポツンと一軒家である。死んだら誰が私を見つけるのか。一応、遠くに住む妹に、このブログの記事アップが途切れたら、警察に連絡してくれるよう頼んだ。生死の確認は管理事務所に断られた。ALSO⚪にも場所的にできないと断られた。他の会社は値段が高すぎて断った。

私は葬式は要らない。焼いてもらうだけでいい。お経も要らない。焼いて大阪の墓に納骨してくれたらいい。死んだあとのことなど、本人には関係ない。残った人たちが処理すること。最低限のことはしてくれるだろう。

移住して一年経った。

今晩は祝いたい。