もう一度フレンチトースト | パドックに魅せられて

パドックに魅せられて

競馬歴45年。
馬ほど美しい動物はいません。


たまごだけではなく、牛乳と砂糖を入れて漬してフライパンで焼いた。
まあ、こんなもんかなあ。なんか普通のトーストに飽きてしまった。
フランスに旅行したときも、フレンチトーストは食べなかった。フランスは治安が悪く、地下鉄にはスリがゴロゴロいた。私は6万円スラれた。地下鉄に乗ったとき、何か身分証明書のようなものを、いきなり私の足下に投げられた。私は踏んでいないのに、黒人の男にズボンの裾を掴まれた。え?っと思ったが、黒人の男は身分証明書を拾って、私にそれを示した。何か言っていたが、これは大事なものなんだ、とでも言っていたのだろうか 。
私はそのまま座席に座り、目的の駅で降りて、ワイン博物館に行った。そして入場料を払おうとした。
財布がなかった。地下鉄でやられたのだ。ズボンの裾を掴まれたとき、もう一人後ろに仲間がいたのだ。一銭もない。地下鉄にも乗れない。幸いホテルに帰れば、まだトラベラーズチェックが残っていた。ホテルまで歩いて二時間ぐらいだったか 。途中 、警官がいたので、財布をスラれたんです、と英語で言ってみた。若い警察官は、そんなこと知ったことかというように、アイドントノーと言った。
私は気分が腐っていた。財布を後ろポケットに入れていた、甘い自分のふがいなさ。なんで俺を狙うんだと、怒りがこみ上げてくる。
妹にLOUIS VUITTONの財布を頼まれていた。そのカタログの紙が盗まれた財布に入っていた。それはどうするんだ。ホテルまで重い足取りで、見えてきたエッフェル塔も腹立たしく、気分はいつまでも晴れなかった。
フレンチトーストにもちろん恨みはない。でも、世界あちこちに行った私の印象では、治安はアジアよりヨーロッパの方が悪い。
もう行くことはないだろうが。