NHK「ジャパニーズドリーム」(ネパール人留学生たちの日本)を観て | パドックに魅せられて

パドックに魅せられて

競馬歴45年。
馬ほど美しい動物はいません。

朝6時に寝て9時に起きて学校に行く。学校は9時半からなのか10時からなのか分からない。2022年まで私が教えていた学校は9時からだった。なぜ6時に寝るかというと、夜勤をしているから。夜勤の方が25%時間給が高いから、留学生はほとんど夜勤を選ぶ。学校に来て授業中寝る学生もいるし、集中できずにおしゃべりする学生もいる。国から仕送りがある学生はほんのわずか。ほとんどの学生が日本に来ると、アルバイトと日本語の勉強、生活費、学費、部屋代の地獄に堕ちる。

 

このテレビでショッキングだったのは自殺する留学生がいるということだった。

 

日本は規制が多いのだと思う。国の目標は外国人留学生40万人だという。一方で「来てくれ」と言いながら、一方で規制をかけるから自殺者まで出る。あるネパール人女性は、日本で日本語学校から大学に進み卒業した。だが、自分の専門の、望む仕事に就けず、カナダに留学し、大学院を卒業し自分の専門を生かせる仕事に就いた。だけど彼女は言う。「私は日本が一番好き。だけど日本は私をどうしたかったのだろう」と。

 

外国人を受け入れない日本が依然としてある。少しずつ変わってはいるのだろう。人でも足りない。20年ぐらい前だったか、アルバイト先で、中国人女性と同じ職場だった。彼女たちの時間給は私の60%でしかなかった。その時代からしたら、日本社会も外国人を受け入れてきているように思う。殺人的なスケジュールを除いて、留学生はまあまあ稼げるようになってきている。

 

ネパールから日本語学校への留学が後を絶たない。私も今、7月から大阪の日本語学校に留学する学生をオンラインで教えている。彼らには、日本へ来たら、できるだけ夜勤はやめて、少なくとも夜寝る生活をしてほしい。生活費、授業料、部屋代が許せばの話なんだが。

 

日本では、会社によるが、毎日殺人的な仕事をしなければいけない職場もある。私がそれを経験してきた。どんな職場を見つけるか。これは運によるところもある。日本語学校で2年。大学ならそのあと4年。専門学校なら2年。そのあと就職できれば彼らの留学は成功する。どうか、自殺や挫折による不法滞在のようなことにならないように、日本語を勉強してほしい。