氷河期世代支援についての雑感
私の下の年齢層は、就職氷河期と呼ばれる世代にあたる。
この世代への支援策をめぐる議論は、選挙のたびに繰り返し取り上げられてきた。
しかし、こうした「世代」を軸にした支援論そのものに、疑問の目を向けてみる必要がありそうだ。
「氷河期世代は多くが正社員になれず、非正規のまま貧困に陥り、低年金のまま国に見捨てられた」というイメージは、実態以上に誇張されている面がある。
データを見ると、氷河期世代のうち大卒男性の非正規率はわずか4%程度にとどまり、大半はすでに正社員として就労している。
本当に困窮している層は、非正規雇用の大多数を占める女性や非大卒者であり、「氷河期世代」という年代のくくりでは捉えきれない構造がある。
金融資産の面でも氷河期世代は他世代より100万円程度少ないとされる一方、低年金で本当に困っているのはむしろバブル世代の方が多いという指摘もある。「氷河期世代だから困っている」という単純な図式は、統計上必ずしも支持されない。
さらに見過ごせないのは、「国に見捨てられた」という言説自体の誤りである。実際には政府は当初から一貫して対策を打ち続けており、令和以降も年間200億円前後の予算が投じられ続けている。
むしろ特別予算が組まれ続けることで、支援の実効性より予算消化そのものが目的化してしまう構造がある。
識者や成功事例企業を招いたセミナーやシンポジウムが各地で型どおりに繰り返される実態は、いわば「利権がらみ」と皮肉りたくなるようなものだ。
マスコミや政治家、官僚が氷河期世代論を好んで取り上げるのも、世代論のわかりやすさが政策アピールに使いやすいためだろう。
必要なのは年代への一律支援ではなく、性別・学歴・雇用形態といった、実際の困窮要因に着目したピンポイントの支援ではないか。
世代というわかりやすい物語ではなく、データに基づいて本当に必要な層を見極めることこそ、限られた予算を有効に使う第一歩だといえるだろう。

