昨晩電車に乗ってたら、向かいに座っていたいかにもオタクそうな青年が、

「限界ヲタク」

と書いた黒いTシャツを着ていた。

 

はて、限界ヲタクとな?

僕はその語をそこで初めて知った。

 

しかし、意味が良く解らん。

「限界のオタク」ってことだから、限界に挑戦するのが趣味なのかな?潜水とかバンジージャンプとかオナ禁とか。ギネス記録狙い?

あるいは、「オタクであることがもう限界!助けて!」という悲痛なサインなのかな?

いろいろ推測してみた。

 

で、帰って調べてみたら、以下のようにあった。

 

 

限界オタク(げんかいおたく)とは、アイドルや役者、アニメ・ゲームのキャラクターといった「推し」に対する感情が限界に達してしまった状態のことを指します。限界化と呼ぶこともあります。

限界オタクは、元々ネガティブな意味で使われることが多い言葉でしたが、SNSなどの影響もあり、オタク文化が広く知れ渡ったことで、ポジティブなニュアンスを含む言葉として使用される機会が増えています。

推しが好きすぎるあまり、痛々しい言動をとってしまったときに、「限界オタクになってしまった」、「限界化している」といったような使い方をします。

 

はぁ……、え?

なんか日本語おかしくない?

そこはちゃんと「限界に達したオタク」って称さないと、違う意味に聞こえるよ??

 

全然上手いこと言えてないなぁ……と思ったが、語の誕生は意外と古く、2003年らしい。

 

 

同時に同じような違和感を感じていたスラングを思い出した。「脳筋」である。

脳みそが筋肉って、かなり強そうじゃね?全部力で解決するんだろ?マッシュとかそんな辺りのキャラかな?

 

と、思ってこれも調べてみたら、

 

https://woman.mynavi.jp/article/210827-31/

 

「脳筋」とは、「脳みそまで筋肉」を略した言葉で、思考する脳みそまで筋肉になっているという意味から、「考えるよりも先に体を動かす性格や行動」を表しています。

具体的には、攻撃特化や、体力(HP)に長けたキャラクターを指す際に使われます。頭脳派や戦略型のキャラクターとは対極を表す表現と言えるでしょう。

アクティブで肉体派な一面を表す一方で、「何も考えずに行動する」といったネガティブな意味合いで使われることも。従って、悪口の言葉というイメージを強く持っている人も多いことでしょう。

 

 

やっぱ、なんか上手いこと言えてないなぁ……と思うことしきり。

 

 

ネット黎明期、というか「2ちゃんねる」黎明期は、こぞってオタクたちがこうやって「上手いこと言う」ことに夢中になった。

ウィットの効いた用語がたくさん生まれた。代表的なのはやはり今も浸透している「w」だろう。

あとは「チラ裏」くらいか。

 

しかし、ネット発の用語は、ほどなくしてまったく生まれなくなる。

2007年に創設された「ネット流行語大賞」では毎年話題の流行語が取り上げられたが、ネットから発生した用語は瞬く間に消えた。

ネットが「上手いこと」を言えない時代に突入したのだ。
 
ネットが、そしてオタクが「面白いことを発信する媒体」として機能したのは、実はほんの僅かな時期だったのかも知れない。
今はもう日本語として読むことすらできない非論理的な罵詈雑言と意味不明な妄想、そして何の動機なのか図りえない底知れぬ攻撃欲だけである。
すくなくとも生産的な発言、クリエイティブな発想は、そこから消えた。
 
「上手いこと」が言えなくなったのだ。
 
その一例として前の記事「小学生でもわかるSNSのバカアンチの傾向と対策」を取り上げたが、今ネットに群がるオタクどものリテラシーは、所詮この程度だ。

 

 

何度か言っているが、僕はネット・SNSで、どんな政治的立場・思想であれ、日本語というものを駆使して理論的に語る言説が著しく減少していることを危惧し、更には、諦めている。

皮肉や冗談を言うにしても必ず必要な「論理的思考力」が、恐ろしく減退しているのだ。

 

 

こんな国民どもが群がって政治に対し発言したり、行動したり、そこまで行かずとも、投票することすら、もうこの国にとってはまったく無駄なことのように思えてならない。

 

もう手遅れとしか言いようがない。どこかの植民地になるまで、日本は急激に落ちぶれるだろう。

日本という国は、もうとっくに消えた。