三島由紀夫も唱えた「反知性主義」という概念だが、いくら考えても腑に落ちないところが多々あり、結局何が言いたいの?といつも思うのだが、じゃあこの語を使うのをやめて「非知性主義」という新たな概念を提案してみよう。

 

「反知性主義」が「知性主義」へのアンチテーゼならば、「非知性主義」はもっと野蛮で低俗なものだと思っていい。

「理屈もヘッタクレもねぇ!俺たちが考えていることが絶対!正義!筋が通ってなかろうが俺が言ってるんだから正しいの!それに歯向かうものは無条件に悪なの!!」

 

まぁ誰が見てもただの幼児の駄々だが、今世間で蔓延しているのは、こちらではないだろうか?

宮台真司氏の言う「感情の劣化」に近いかも知れない。

 

そしてこれを先天的に持っているのが、言わずと知れたオタクである。

 

「俺がムカついてるの!だからダメなの!」と彼らは繰り返すだけである。

ムカつくのはお前の勝手だが、お前に迷惑をかけた覚えはないし、そもそも関わった覚えもないし、それが即排除につながるなんてあり得ない。

しかしそこに理屈を持たないのが「非知性主義」だ。そう考えてもらうとしよう。

 

僕は過去に「お前がいると俺が不愉快なので消えてください」とリプライされたことがあった。

マジか!?と思ったが、彼は本気でそう思ってたようだ。

 

 

これがまかり通るならばもう倫理も道徳も、何より社会そのものが成立しなくなるだろう。

理由もなく、ただ「ムカつく」から相手に襲い掛かる、果ては殺そうまでするなんて、異常である。

憲法も人権もあったもんじゃない。この世のありとあらゆるコミュニティの否定である。

 

 

で、やっぱりこれって「反知性主義」なんじゃないの?とか思ったりするのだが、ひとまずは置いておこう。

筋や理屈もないままにただ自分の感情だけに支配され、他人に噛みついたり事件を起こしたりする生き物は「非知性主義」であり、間違いなく非社会的な生き物である。