『魔法少女たち』の脚本を色んな人、業界外の人にも読んでもらっているのだが、やはりと言えばやはりなのだが、脚本を読むには技術が要るらしい。

みんな「それ、ちゃんと書いてあるのになぁ……」というところで躓く。

 

なべりんでさえ「このキャラ、どうしてこんなことになってるんですか?」「いや、前のここに書いてあるよ」となる始末。

 

しょうがない。

脚本は小説とは違う。

小説なら、「空を真っ白に染めんとするかのような猛威で燦燦と降り注ぐ真夏の太陽が~」とか書いてあって、読む人は自然と、あっついやろなぁ~という気分になってしまうのだが、脚本では単に柱に「〇真夏の太陽」と書いて、おしまい。

修飾語が極度にないのだ。

そして作法上、それ以上書く必要はない。ダラダラ書いてたら尺の計算ができない。

 

だから、読み慣れない人々は、うっかり見落としてしまうこともあるのだろう。

僕らはそこからいちいち絵に起こす作業が仕事なのだから、「真夏の太陽」と一語書かれていても、どんな太陽?空は?雲の様子は?と、いろいろと想像を巡らせる。

それができる人とできない人とでは、やはり受け取り方が違うものだ。

 

僕が小説を読むのが遅いのは、職業病のようなもので、一語一語いちいち逞しく想像を張り巡らしすぎなのだろう。

だから脚本の方が読みやすい。

 

まぁ、慣れということだ。