https://www.kyotoanimation.co.jp/baja/story/story02/

 

 

 

完成したようだ。

まずは安堵したい。

 

この作品が、事実上師匠の遺作だ。

この作品が完成する前に、あの事件は起こったらしい。

監督以下多くの担当スタッフを失い、続行が危ぶまれたが、残ったスタッフで何とかしたという。

 

感謝したい。

 

誰もが解っていると思うが、この作品の舞台はあの1スタがモデルだ。

さぞ煩悶しながら絵に起こしただろう。

この作品の多幸感の裏に、沢山の悲しみや痛みが隠されている。

 

スタジオが燃えても、制作者が死してもなお、作品は生き残り、そして生き続ける。

そのドキュメントを歴史に刻印しただけでも、この作品の意義は大きい。

 

心配していた作画も乗り切った。

海の躍動感も『ポニョ』にさえ負けてないだろう。

 

しかし、ひとつ気になったのが、ギーが海の「真実」を教えようという描写だ。

あそこだけ、時折空気が変わる。多幸感に満ちた世界観が崩れかける。

「楽しい事と悲しい事は、裏と表だ」

ちょっと、解釈に苦しむ。ていうか迷う。

 

「海は怖いけど、ボク行かなきゃ!」

師匠は最後、何を伝えたかったのだろうか?