とうとう演出チェックをペーパーレスで、ペンタブでやるようになった。
本当、世も末だと感じる。
しかし僕は業界に入って真っ先にデジタル撮影に携わったので、実はデジタル化の恩恵は誰よりも良く知っているつもりだ。
しかし、これ以上はダメ!という境界はある。
やはり、デジタルだと線が死ぬ。
知り合いの一線級のアニメーターがこの前「デジタル作画でまだ生きた線を見たことがない」とぼやいていたが、まさにその通り。
しかも最近の若い衆は、デジタルだからどんどん手抜きしてもOK!みたいな雰囲気でカットを上げてくる。
手抜きしてOKな訳なかろう。
マテリアルなやり取りをする必要がないから、このコロナ禍の中でもアニメの作業は意外とリモートでサクサク進んだらしい。
しかし、そのしっぺ返しはすぐ来るだろう。
「線」というものを最大の武器にしてきた日本のアニメが、その武器を失う時が必ず来る。
僕は絵コンテだけは、死ぬまで紙でやると誓った。